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梅の主な品種を紹介!京都で見られるおすすめの美しい梅の園芸品種

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紅梅に白梅にピンクの梅や枝垂梅、実を採取するための実梅など、梅には多彩な園芸品種があります。
古くから品種改良が行われてきた梅の品種数は、300とも500ともいわれくらいです。
いろいろな梅の品種のうち、京都で見られる品種と梅の奥深い世界を紹介します。 

 

 

梅について

梅(ウメ)は、古くから日本人に愛されてきた花です。
あでやかかつ可憐な花とふくよかな香りは、わたしたちを魅了してきました。
梅の実は梅干しや梅酒に加工され、重要な果樹でもあります。

梅の歴史

梅は、バラ科サクラ属のスモモ亜属に属する落葉高木です。
同じスモモ亜属のスモモ、アンズとは近縁で交雑することもあります。
桜(サクラ)が種類としては、ヤマザクラやエドヒガンなど数種類に分類されるのに対し、梅は単一の種類です。

梅の実(北野天満宮) 2003年5月21日 撮影:MKタクシー

梅の実(北野天満宮) 2003年5月21日 撮影:MKタクシー

梅の原産地は中国です。
中国では、古くから実を酸味料・薬として使用してきました。7,000年前の遺跡からも梅が出土しています。
のちに花の美しさを愛でられるようになり、観賞用としても広く利用されるようになりました。
漢詩ではおなじみの題材として、頻繁に取り上げられています。

梅干し(北野天満宮) 撮影:MKタクシー

梅干し(北野天満宮) 撮影:MKタクシー

梅は日本にも古くから持ち込まれ、縄文時代末期の遺跡からも梅の種などが発見されています。
弥生時代になると、全国各所の遺跡から梅の種が発見されておりいます。

本格的に普及したのは、奈良時代のことです。中国から花を観賞用する目的で持ち込まれたとされます。
平城京跡からは、2,000個などまとまった数の梅の種が発見されています。

中国では、紀元前200年以前に成立した「書経」にも記載され、古くから観賞用、食用、薬用として利用されていました。

1929年発行「万葉集品物図絵」 出展:国立国会デジタル図書館

1929年発行「万葉集品物図絵」 出展:国立国会デジタル図書館

梅は日本には自然には自生していません*1、梅は人の手が入らなければ日本では生きていけない植物なのです。

古くは単に「花」といえば梅のことを指すほど日本人にも愛されてきました。
新元号「令和」が、現存する日本最古の和歌集として知られる万葉集の梅花の歌三十二首の序文

時に、初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす

から採られたのも記憶に新しいところです。

古今和歌集より採られた、百人一首の紀貫之の和歌はよく知られています。

人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける

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梅コラム① 
万葉集に詠まれた梅の歌

8世紀後半に成立し、7世紀前半から8世紀中盤までの4,500首以上の歌が収録されている万葉集。
貴族らだけでなく関西以外も含めた一般庶民を含めた様々な身分の人々が詠んだ歌の中には、梅をテーマとした歌が多数載せられています。
万葉集の時代には、単に「花」と言うと、桜ではなく梅を指したということは良く知られています。
万葉集では、萩に次ぐ119首も詠われています。

  1. 萩(ハギ)    138首
  2. 梅(ウメ)    119首
  3. 松(マツ)    81首
  4. 橘(タチバナ)  66首
  5. 桜(サクラ)   41首
  6. 柳(ヤナギ)   39首
  7. 卯の花(ウノハナ)22首
  8. 竹(タケ)    19首
  9. 山吹(ヤマブキ) 17首 

貴族から庶民まで多くの歌が収録されている万葉集でも、貴族階級の人が詠んだ歌がほとんどを占めています。
中国から渡来した梅の花が珍重されていたことが見て取れます。

119首ある梅の歌をさらに詳細にみると、「雪」をテーマとした歌が31首です。
まだ積雪がある早春には、純白の白梅が映えます。

雪の色を 奪ひて咲ける梅の花 今盛りなり見む人もがも(大伴旅人)
我が背子に 見せむと思ひし梅の花 それとも見えず雪の降れれば(山部赤人)

いずれも、無理に現代語訳しなくても、情景が目に浮かぶようですね。

次いで「鶯(うぐいす)」をテーマとした歌が13首あります。
今も花札で「梅に鶯」があるとおり、古くから詩歌や絵画に取り上げられてきました。
はるか万葉の時代から、梅と言えば鶯だったのです。

梅の花 散り乱ひたる岡びには 鴬鳴くも春かたまけて(大隅目榎氏鉢麻呂)
梅の花 散らまく惜しみ我が園の 竹の林に鴬鳴くも(作者不詳)    

現在は、鶯と目白(メジロ)がよく混同されますが、万葉歌人らが詠んでいたのは鶯で間違いないようです。

MK公式ツイッター担当者が描いた資料

MK公式ツイッター担当者が描いた資料

 

「北野天神縁起」に描かれた梅 出展:国立国会デジタル図書館

「北野天神縁起」に描かれた梅 出展:国立国会デジタル図書館

京都に都が移った平安時代前半の学者であり政治家である菅原道真が梅を愛したことで知られ、京都の北野天満宮をはじめ全国12,000社といわれる天満宮の多くで梅が植えられています。

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梅の用途

梅の果実は、様々な用途で利用されています。
そのままでは酸味が強すぎるため、様々な加工を経てから食用とされます。
同じスモモ亜属であるスモモ、アンズ、プルーンは生食が可能なため、全世界で栽培されていますが、梅はほとんど東アジアのみで生産されています。

生の梅はあまりミネラル類を含んでいませんが、梅干しなどに加工することで、豊富なミネラル類やクエン酸を採ることができます。
特にクエン酸には強い殺菌効果があり、老化防止や疲労回復などの効果があります。

日本では梅は観賞用として広がりましたが、鎌倉時代ごろから食用としての利用も広がり、梅干しを作る技術もこのころに完成したとされています。

MK公式ツイッター担当者が描いた資料

MK公式ツイッター担当者が描いた資料

梅は、日本全国で71,100トン(2020年)の収穫量があります*2
その3分の2は関西の和歌山県の生産です。

収穫された梅の7割は加工用として梅干し・梅漬け用に出荷され、1割は加工用として梅酒等に出荷されます。残りの2割は青梅のまま出荷され、家庭等で梅干しや梅酒*3ほか様々な用途で利用されています*4
かつては梅干しをつくるときにできる副産物である梅酢も、重要な調味料として広く使われていました。

散り梅(城南宮) 2020年2月17日 撮影:MKタクシー

散り梅(城南宮) 2020年2月17日 撮影:MKタクシー

まだ若い青梅は固いため、梅酒に最適です。氷砂糖とホワイトリカーやブランデーに漬けこんで半年ほど熟成させると、梅酒が完成します。
やや熟して黄色くなりはじめた青梅は、梅干しに最適です。一か月ほど塩漬けにし、数日天日干しすると昔ながらの梅干しが完成します。赤シソを使うと鮮やかな赤色に仕上がります。
さらに熟して黄色くなってきた梅は、梅ジャムに最適です。細かく刻んで砂糖と煮るとジャムになります。

烏梅(月ヶ瀬梅の資料館) 撮影:MKタクシー

烏梅(月ヶ瀬梅の資料館) 撮影:MKタクシー

しかし、江戸時代には梅の果実は食用としての利用されるよりも、産業用としての利用が主流でした。
梅の実を燻製にした烏梅(うばい)から作るクエン酸が染色用の媒染剤として盛んに利用されてきました。
明治に入って化学的に製造された媒染剤や化学染料に置き換えられるまで、梅林の主目的は烏梅の生産でした。

1916年本草図譜刊行会発行「本草図譜」出展:国立国会デジタル図書館

1916年本草図譜刊行会発行「本草図譜」 出展:国立国会デジタル図書館

京都での梅の生産

京都府の梅の収穫量は223トンです*5。全国に占める割合はわずか0.3%程度です。関西では和歌山県が圧倒的です。
京都では、市町村別にみると、1万本の青谷梅林(城陽市)がある城陽市が圧倒的で、半分程度を生産しています*6
次いで京丹後市や京都市などで生産されています。

京都府内で植えられている梅の品種ごとの面積では、青谷梅林の特産品種である城州白(17.0ha)が最も多く、次いで和歌山が有名な南高(7.9ha)、東日本で主要な品種の白加賀(4.3ha)、小梅(4.0ha)と続きます*7
城州白は、京都府以外では関西の滋賀県でわずかに生産されている程度で、9割を京都府が占めています。
まさに城州白は、京都の梅なのです。

しかし、近年は梅干し梅酒の消費量の減少や担い手となる農家の減少による、京都府における梅の生産は減少傾向にあります。 

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梅の品種紹介

梅の品種の歴史

 

中国から伝わった梅は、白色花が咲く梅だけでした。
869年に完成した続日本後紀(しょくにほんこうき)で初めて赤い紅梅が記録にあらわれました。
古くから品種改良が加えられ、1681年に出版された日本で最初の園芸書である「花壇綱目」には、53品種の梅が掲載されています。

花壇綱目 出展:国立国会デジタル図書館

花壇綱目 出展:国立国会デジタル図書館

花壇綱目 出展:国立国会デジタル図書館

今では300とも500とも言われる多彩な品種があります。
大きくわけて花を楽しむための花梅(ハナウメ)と、実を採取するための実梅(ミウメ)に分かれます。
京都では、花を楽しむ花梅がメインです。花梅でも実が食用にならないわけではなく、ある程度は実を採取することも可能です。

関西でたくさんの梅の品種を見られるところといえば、京都の京都府立植物園のほか、奈良県の月ヶ瀬梅林(奈良市)にある梅の品種園、大阪府の大阪城公園(中央区)、兵庫県の綾部山梅林(たつの市)にある世界の梅公園などがあります。
多彩な梅の品種を品種名や説明板付きで学ぶことができます。

花壇地錦抄前集 出展:国立国会図書館デジタルコレクション

花壇地錦抄前集 出展:国立国会図書館デジタルコレクション

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花梅の3系9性分類

花梅はさらに、野梅系(やばいけい)、緋梅系(ひばいけい)、豊後系(ぶんごけい)の3系に分けられます。
野梅系はさらに野梅性、紅筆性、難波性、青軸性の4性に、緋梅系はさらに紅梅性、緋梅性、唐梅性の4性に、豊後系はさらに豊後性と杏性に2性に分けられます。
この3性9系が一般的な花梅の分類法です。
野梅性、紅梅性、豊後性、杏性の4性に分ける分類法もありますが、一般的ではありません。

鹿児島紅(長岡公園) 緋梅系・紅梅性 2021年2月11日 撮影:MKタクシー 

鹿児島紅(長岡公園) 緋梅系・紅梅性 2021年2月11日 撮影:MKタクシー 

これらの日本で作られた品種とは別に、中国で品種改良された中国系の梅の品種群もあります。

花の色も原種に近い白色から紅色、濃紅色、淡紅色などがあります。
「咲き分け」といって、紅白の両方の花が咲く品種もあります。
紅梅と白梅を接ぎ木することにより、人為的に咲き分けを作ることもありますが、この場合は通常枝ごとに紅梅と白梅に分かれます。

春日野(梅小路公園) 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

春日野(梅小路公園) 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

「思いのまま」や「春日野」など咲き分けをする品種の場合、同じ枝から赤や白あるいは紅白入り混じった花が咲きます。
これは、赤い色素を作る遺伝子が働いている細胞と働かない細胞が混在することで生じます。

春日野(梅小路公園) 2021年3月1日 撮影:MKタクシー

春日野(梅小路公園) 2021年3月1日 撮影:MKタクシー

このメカニズムは完全には解明されていませんが、動く遺伝子(トランスポゾン)によるものとされています。
近縁の桃(モモ)はより顕著にこの特徴があらわれ、観賞用の花桃(ハナモモ)には、紅白の源平桃など多彩な品種があります。

枝垂梅(城南宮) 見頃 2021年2月24日 撮影:MKタクシー

枝垂梅(城南宮) 見頃 2021年2月24日 撮影:MKタクシー

梅や桃と同じく枝垂性の品種も多数あります。
枝垂梅という系統群があるわけではなく、様々な系統の中に枝垂性の梅があります。
野梅系の枝垂梅が多いですが、緋梅系や豊後系の枝垂梅も珍しくありません。
ただし、全て観賞用のため実梅の枝垂梅はありません。
普通の梅と比べて枝垂梅は概ね半月程度遅く開花します。

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野梅系の品種

見驚(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 撮影:MKタクシー

見驚(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 撮影:MKタクシー

野梅系(やばいけい)はもっとも原種に近い系統です。
さらに野梅性(やばいしょう)、難波性(なにわしょう)、紅筆性(べにふでしょう)、青軸性(あおじくしょう)の4性にわかれます。

八重寒紅(長岡公園) 緋梅系・紅梅性 2021年2月11日 撮影:MKタクシー 

八重寒紅(長岡公園) 緋梅系・紅梅性 2021年2月11日 撮影:MKタクシー 

原種に近い野梅性は、花梅の品種の中でも最も良く見かけます。京都で見る花梅の半分くらいは野梅性といっても過言ではないかもしれません。
野梅系の中でも難波性や紅筆性はめったに見かけません。

花の色は白色から淡紅色、紅色と多彩ですが、野梅系に共通する特徴としては、香りが強い、花がやや小ぶり、多くの枝が出る、といって点が挙げられます。
野生の梅に近いため強健で、他の品種の梅の台木としても利用されます。

呉服枝垂(月ヶ瀬梅林・梅の品種園) 野梅系・野梅性 2017年3月11日 撮影:MKタクシー

呉服枝垂(月ヶ瀬梅林・梅の品種園) 野梅系・野梅性 2017年3月11日 撮影:MKタクシー

以下は京都と京都近郊の関西で見た記憶のある野梅系の梅の品種です。

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野梅性の梅の品種

冬至(梅小路公園) 野梅系・野梅性 2019年2月4日 撮影:MKタクシー

冬至(梅小路公園) 野梅系・野梅性 2019年2月4日 撮影:MKタクシー

白色の梅

  • 鶯宿(おうしゅく)
  • 月宮殿(げっきゅうでん)
  • 玉牡丹(たまぼたん)
  • 冬至(とうじ)
  • 初雁(はつかり)
  • 一重野梅(ひとえやばい)
  • 八重野梅(やえやばい)

玉牡丹(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 2019年2月16日 撮影:MKタクシー

玉牡丹(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 2019年2月16日 撮影:MKタクシー

淡紅色の梅

  • 見驚(けんきょう)
  • 古城の春(こじょうのはる)
  • 玉垣枝垂(たまがきしだれ)
  • 道知辺(みちしるべ)

道知辺(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 2019年2月18日 撮影:MKタクシー

道知辺(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 2019年2月18日 撮影:MKタクシー

紅色の梅

  • 寒紅梅(かんこうばい)
  • 呉服枝垂(くれはしだれ)
  • 八重寒紅(やえかんこう)

寒紅梅(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 2021年2月4日 撮影:MKタクシー

寒紅梅(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 2021年2月4日 撮影:MKタクシー

咲き分けの梅

  • 春日野(かすがの)
  • 思いのまま

春日野(梅小路公園) 野梅系・野梅性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

春日野(梅小路公園) 野梅系・野梅性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

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難波性の梅の品種

玉拳(大阪城梅林) 野梅系・難波性 2020年2月12日 撮影:MKタクシー

玉拳(大阪城梅林) 野梅系・難波性 2020年2月12日 撮影:MKタクシー
  • 玉拳(ぎょっけん)
  • 御所紅(ごしょべに)
紅筆性の梅の品種

内裏(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 2019年3月16日 撮影:MKタクシー

内裏(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 2019年3月16日 撮影:MKタクシー
  • 内裏(だいり)
  • 紅筆(べにふで)
  • 八重海棠(やえかいどう) 
青軸性の梅の品種 

月影(梅小路公園) 野梅系・青軸性 2019年3月5日 撮影:MKタクシー

月影(梅小路公園) 野梅系・青軸性 2019年3月5日 撮影:MKタクシー
  • 月影(つきかげ)
  • 月の桂(つきのかつら)
  • 緑萼(りょくがく)
  • 緑萼枝垂(りょくがくしだれ)

月の桂(月ヶ瀬梅林・梅の品種園) 野梅系・野梅性 2017年3月11日 撮影:MKタクシー

月の桂(月ヶ瀬梅林・梅の品種園) 野梅系・野梅性 2017年3月11日 撮影:MKタクシー

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緋梅系の品種

鹿児島紅(京都府立植物園) 緋梅系・緋梅性 撮影:MKタクシー

鹿児島紅(京都府立植物園) 緋梅系・緋梅性 撮影:MKタクシー

緋梅系(ひばいけい)は、枝の断面が赤い系統です。野梅系から変化してできました。
「緋梅」というだけあって、大半が赤い花を咲かせる紅梅・緋梅ですが、白梅もあります。あくまで枝の断面の色が基準になります。

大盃(梅小路公園) 緋梅系・紅梅性 2020年1月30日 撮影:MKタクシー

大盃(梅小路公園) 緋梅系・紅梅性 2020年1月30日 撮影:MKタクシー

緋梅系は、さらに紅梅性(こうばいしょう)、緋梅性(ひばいしょう)、唐梅性(とうばいしょう)の3性にわかれます。
緋梅系ではなく紅梅系と言われることもありますが、同じ系統を指します。

黒雲(京都府立植物園) 緋梅系・緋梅性 2019年3月2日 撮影:MKタクシー

黒雲(京都府立植物園) 緋梅系・緋梅性 2019年3月2日 撮影:MKタクシー

一般に「紅梅」と称される赤い梅であっても、前述のとおり緋梅系あるいは紅梅系とは限りません。

新平家(梅小路公園) 緋梅系・紅梅性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

新平家(梅小路公園) 緋梅系・紅梅性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

緋梅系は野梅系に次いで見かけます。紅梅性が最もよく見ますが、緋梅性も珍しくはなく、唐梅性も見ることがあります。

以下は京都と京都近郊の関西で見た記憶のある緋梅系の梅の品種です。

幾夜寝覚(京都府立植物園) 緋梅系・緋梅性 2019年3月2日 撮影:MKタクシー

幾夜寝覚(京都府立植物園) 緋梅系・緋梅性 2019年3月2日 撮影:MKタクシー

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紅梅性の梅の品種

緋の司(梅小路公園) 緋野梅系・紅梅性 2020年1月30日 撮影:MKタクシー

緋の司(梅小路公園) 緋野梅系・紅梅性 2020年1月30日 撮影:MKタクシー
  • 幾夜寝覚(いくよねざめ)
  • 鴛鴦(えんおう)
  • 大盃(おおさかずき)
  • 黒雲(しののめ)
  • 新平家(しんへいけ)
  • 緋の司(ひのつかさ)
  • 紅千鳥(べにちどり)

紅千鳥(梅小路公園) 緋梅系・紅梅性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

紅千鳥(梅小路公園) 緋梅系・紅梅性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー
緋梅性の梅の品種
  • 鹿児島紅(かごしまべに)
  • 玉光枝垂(ぎょっこうしだれ)*8
  • 鈴鹿の関(すずかのせき)
  • 蘇芳梅(すおうばい)

蘇芳梅(月ヶ瀬梅林・梅の品種園) 緋梅系・緋梅性 2017年3月11日 撮影:MKタクシー

蘇芳梅(月ヶ瀬梅林・梅の品種園) 緋梅系・緋梅性 2017年3月11日 撮影:MKタクシー
唐梅性の梅の品種 
  • 唐梅(とうばい)
  • 八重唐梅(やえとうばい)

八重唐梅(大坂城梅林) 緋梅系・唐梅性 2018年2月22日 撮影:MKタクシー

八重唐梅(大阪城梅林) 緋梅系・唐梅性 2018年2月22日 撮影:MKタクシー

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豊後系の品種

未開紅(京都府立植物園) 豊後系・豊後性 撮影:MKタクシ

未開紅(京都府立植物園) 豊後系・豊後性 撮影:MKタクシー

豊後系(ぶんごけい)は、近縁のアンズとの雑種で、大きな花が特徴です。
さらに豊後性(ぶんごしょう)、杏性(あんずしょう)の2性にわかれます。
豊後性のうち摩耶紅梅などを、摩耶性(まやしょう)として3性にわける場合もあります。

藤牡丹枝垂(梅小路公園) 豊後系・豊後性 2019年3月6日 撮影:MKタクシー

藤牡丹枝垂(梅小路公園) 豊後系・豊後性 2019年3月6日 撮影:MKタクシー

豊後系の中でも特にアンズの影響が強く、梅よりはむしろアンズに近いくらいなのが杏性です。
実梅の中でも豊後系に近いものは、アンズと同じく大きな梅が実るのが特徴です。
豊後性は枝がやや太めですが、杏性は枝がやや細めです。

豊後(梅小路公園) 豊後系・豊後性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

豊後(梅小路公園) 豊後系・豊後性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

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以下は京都と京都近郊の関西で見た記憶のある豊後系の梅の品種です。

豊後性の梅の品種
  • 桜鏡(さくらかがみ)
  • 滄暝の月(そうめいのつき)
  • 白牡丹(はくぼたん)
  • 藤牡丹枝垂(ふじぼたんしだれ)
  • 豊後(ぶんご)
  • 未開紅(みかいこう)
  • 武蔵野(むさしの)
  • 楊貴妃(ようきひ)

楊貴妃(京都府立植物園) 野梅系・野梅性 2019年2月24日 撮影:MKタクシー

楊貴妃(京都府立植物園) 豊後系・豊後性 2019年2月24日 撮影:MKタクシー
杏性の梅の品種 

淋子梅(梅小路公園) 豊後系・杏性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

淋子梅(梅小路公園) 豊後系・杏性 2019年3月8日 撮影:MKタクシー
  • 一の谷(いちのたに)
  • 緋の袴(ひのはかま)
  • 淋子梅(りんしばい)

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実梅の品種

白加賀(京都府立植物園) 実梅 撮影:MKタクシー

白加賀(京都府立植物園) 実梅 撮影:MKタクシー

実梅には、南高梅(なんこううめ)や白加賀、城州白(じょうしゅうはく)などの品種があります。

地域によって植えられる実梅には大きな差があり、南高梅のほとんどは関西の和歌山県、白加賀のほとんどは東日本、後述のとおり城州白のほとんどは京都府で生産されています。

古城(大阪城梅林) 実梅 2020年2月12日 撮影:MKタクシー

古城(大阪城梅林) 実梅 2020年2月12日 撮影:MKタクシー

特に城州白は、京都特産の品種として人気が高く、青谷梅林では主に城州白が植えられています。
甲州小梅や信濃小梅など小梅の品種群もあります。
小梅はカリカリ梅などに利用されます。

白加賀(梅小路公園) 実梅 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

白加賀(梅小路公園) 実梅 2019年3月8日 撮影:MKタクシー

本来は実を取ることを目的とした品種ですが、観賞用として梅林で植えられていることも少なくはありません。
京都では、特に白加賀は観賞用としても盛んに植えられています。

甲州小梅(梅小路公園) 実梅 2019年2月4日 撮影:MKタクシー

甲州小梅(梅小路公園) 実梅 2019年2月4日 撮影:MKタクシー

以下は京都と京都近郊の関西で見た記憶のある実梅の品種です。

  • 鶯宿(おうしゅく)*9
  • 玉英(ぎょくえい)
  • 月世界(げっせかい)
  • 甲州小梅(こうしゅうこうめ)
  • 古城(こじろ)
  • 城州白(じょうしゅうはく)
  • 白加賀(しろかが)
  • 信州小梅(しんしゅうこうめ)
  • 南高(なんこう)

南光(京都府立植物園) 実梅 2019年3月16日 撮影:MKタクシー

南光(京都府立植物園) 実梅 2019年3月16日 撮影:MKタクシー

京都特産の実梅の品種としては、青谷梅林の主力である城州白がよく知られています。
城州白は、産業用の烏梅としての利用がなくなり、食用として利用されるようになった明治以降に京都に定着した品種です。

1927年農林省園芸試験場発行「果樹蔬菜品種一覧表」 出展:国立国会デジタル図書館

1927年農林省園芸試験場発行「果樹蔬菜品種一覧表」 出展:国立国会デジタル図書館

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梅コラム② 

アンズ 三分咲き 京都府立植物園 2009年2月28日 撮影:MKタクシー

アンズ 三分咲き 京都府立植物園 2009年2月28日 撮影:MKタクシー
梅と近縁のアンズ

梅と同じく、バラ科サクラ属のスモモ亜属に属するアンズは、梅とはかなり近縁の果樹です。

原産地は中国の華北という説が有力です。梅も原産地は中国ですが、華南だとされています。
梅は東アジアにしか広がりませんでしたが、アンズは古くから洋の東西に伝播していきました。

日本には弥生時代には渡来しており、果実が食用として利用されるほか、種子や杏仁(きょうにん/あんにん)は、薬用として利用されてきました。
ヨーロッパにも古代に伝わり、アプリコットとして多彩な品種が作出されています。
中国や日本で発達した東洋系の品種は、味が強くジャムや果実酒など主に加工用に向いており、ヨーロッパやアメリカで発達した西洋系の品種は、甘みが強く主に生食用に向いています。

日本では長野県や青森県を中心に生産されており、関西ではほとんど生産されていません。

アンズ 咲きはじめ 京都府立植物園 2019年3月2日 撮影:MKタクシー

アンズ 咲きはじめ 京都府立植物園 2019年3月2日 撮影:MKタクシー

梅とアンズは近縁のため、見た目も良く似ていますが、いくつか違いがあります。
アンズの萼(がく)はそりかえるが、梅の萼(がく)はそりかえらない
アンズの方が花も実もやや大ぶり
アンズの方が梅より開花期も収穫期も半月~1ヶ月ほど遅い
アンズの花は香りがないが、梅は良い香りがする
アンズの花は1つの節に複数の花が咲くが、梅の花は1つの節に1つしか花が咲かない
アンズの実は種子が種離れが良いが、梅の実の種子は、種離れが悪い

アンズ 見頃 京都府立植物園 2009年3月21日 撮影:MKタクシー

アンズ 見頃 京都府立植物園 2009年3月21日 撮影:MKタクシー

豊後系で記載したとおり、梅にはアンズとの種間雑種の品種が多数あります。
種間雑種の品種は、上記の中間的な特徴を示すことも珍しくありません。
逆に、東洋系のアンズの品種は多少なりとも梅の血も引いています。
絶対的な区別があるわけではありません。

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おわりに

梅といえば、四季を通じても桜と紅葉に次いで人気の植物です。
単に紅梅や白梅、枝垂梅くらいであれば誰でもわかりますが、実に多彩な品種があります。

MKタクシーの観光ドライバーであれば、梅についてもいろんな情報が引き出しに入っています。
多彩な品種の梅を見られるスポットへご案内することもできます。

MKの観光貸切タクシーなら、京都の梅を心行くまで楽しむことができます。
観光・おもてなしのプロといっしょに一味ちがう京都旅行を体験してみませんか?

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MKタクシーが提供する花と紅葉情報

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観光ドライバーを中心に年間約5,000件のリアルタイムな情報を提供中。
春夏秋冬を通じて全ての花に対応しています。

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四季の花紅葉

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春夏秋冬を通じて50種以上の花に対応しています。 

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*1:大分県や宮崎県の一部では、野生化した個体が自生しているという。もともと九州にも自生していたという説もあり。

*2:令和2年産果樹生産出荷統計

*3:1962年の酒税法改正までは、梅酒の自家製造は禁止されていた。

*4:うめ用途別仕向実績調査

*5:令和2年産果樹生産出荷統計

*6:京都府農林水産統計年報[H16~H17]

*7:平成29年産特産果樹生産動態等調査

*8:京都府立植物園では白梅に「玉光枝垂」の札がついていますが、紅梅が正しいようです。ひょっとすると同じ品種でも白梅と紅梅があるのかもしれませんが。

*9:花梅の「鶯宿」と実梅の「鶯宿」は別の品種で、八重の鶯宿は花梅、一重の鶯宿は実梅のようです。同じ鶯宿でも結構違うのが疑問でしたが、納得です。