【2021年最新版】京都の梅が美しい名所おすすめスポット30選
京都の四季でも、春の桜と秋の紅葉に次いで人気が高いのが梅の花です。
早春を彩る梅の花は、今も昔もその姿と香りで京都を訪れる人々を魅了します。
しかし、桜や紅葉とは異なり、梅が見頃を迎える2月~3月の京都は閑散期にあたり、大混雑とは無縁です。
ゆっくりと花を楽しむのなら桜よりも梅だ、という京都通の人も少なくありません。
そんな梅の、2021年におすすめするスポットを京都から30ヶ所紹介します。
2021年の梅の開花は例年よりも1週間程度早めです。
例年であれば、北野天満宮をはじめ主だった京都の梅の名所では、2月末から3月上旬に見頃のピークを迎えます。
- 洛中の梅おすすめスポット7選
- 洛東の梅おすすめスポット6選
- 洛南の梅おすすめスポット3選
- 南山城の梅おすすめスポット4選
- 洛西の梅おすすめスポット9選
- 洛北の梅おすすめスポット2選
- おわりに
京都で見られる多彩な梅の品種については、こちらをご覧ください。
洛中の梅おすすめスポット7選
京都の中心部である洛中には、関西でも有数の知名度のある北野天満宮をはじめ、100本を超える梅林がある京都御苑、二条城、梅小路公園などがあります。
京都でも梅のおすすめスポットが集積しているエリアです。
① 北野天満宮〈上京区〉見頃:2月中旬~3月中旬
京都を代表する50品種1,500本の梅の名所
京都のみならず関西で最も有名な梅の名所といえば、北野天満宮です。
祭神である菅原道真公は、梅をこよなく愛したといわれ、境内にはたくさんの梅が植えられている名所です。
菅原道真公が梅を愛したというのは、後世に生まれた伝説ではなく、実際に梅をテーマとした多数の和歌や漢詩を残しています。
今回の京都の梅の名所30選でも、菅原道真公を祀った神社が計4ヶ所入っています。
政敵の陰謀で京都から左遷された大宰府(だざいふ/福岡県)で道真公が詠んだ
東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春を忘るな
という歌があります。
大宰府*1に流された道真公を慕って、京都の庭の梅の木ははるばる大宰府まで飛んでいき、根を下ろしたと言われています。今も本殿前にはその後継樹といわれる紅和魂梅(べにわこんばい)が咲いています。
北野天満宮の境内には梅苑をはじめ計50品種・1,500本もの梅が植えられており、おすすめです。
もともと境内各所に梅が植えられていましたが、今の形の梅苑は1966年に開設されました。
年明けから、早咲きの雲龍梅(老松社前)や寒紅梅(絵馬殿前)が咲きはじめ、早々と京都に春を告げます。
枝が左右にくねくねよじれ曲がりながら伸びる樹木の樹形を雲龍型といいます。
雲龍型をした梅は、雲龍梅や香篆梅(こうてんばい)と呼ばれます。
2月に入ると、有料の梅苑が公開され本格的な梅シーズンとなります。
開花が早い年は、1月中から梅苑が開苑されることもあります。
2021年は1月30日(土)から開苑となり、開苑予定は当初3月下旬までとされていましたが、3月14日(日)に閉苑が発表されました。
例年ほどではないにしろ、京都を代表する梅の名所としてにぎわいを見せています。
2021年の梅苑では、苑内南側に常設の舞台が設置され装いも新たになりました。京都一の梅の名所がさらにパワーアップしたのです。
苑内を一望できる舞台からは、今までにない景色が見られます。
いつもは下から見上げる梅を、上から見下ろすことができます。
タイミングが良ければ、まるで梅の海に浮かぶような気分を味わえることでしょう。
苑内の庭園も、洲浜が作られるなど再整備が行われました。
北野天満宮の梅苑は、参道の西側だけでなく、御土居にまで広がります。
御土居は、豊臣秀吉が京都改造の一環として作った土塁です。
正確には土塁と堀がセットになっており、御土居堀ともいいます。
北野天満宮付近では、境内のすぐ西側を南北に流れる紙屋川(天神川とも)の東側に連なります。
天神川によって刻みこまれた渓谷の底付近に梅が広がっています。
朱色の太鼓橋に紅白の梅が映えます。
北野天満宮の梅苑でとれた梅の実は、6月ごろに収穫されます。約3トンの梅が塩漬けされ、天日干しなど昔ながらの製法で梅干しに加工されます。
完成した梅干しは「大福梅(おおふくうめ)」という京都でも有名な縁起物になります。
北野天満宮は梅花の名所であるだけでなく、梅干しの名所でもあるのです。
大福梅はお正月の縁起物として授与され、元旦に白湯を入れて飲むと、一年間無病息災で過ごせるとされ、京都人にも人気です。
毎月2月25日には梅花祭が開催
菅原道真公の命日である2月25日に催される梅花祭(ばいかさい)も、京都を代表する二月の行事のひとつとしてお勧めです。梅花祭では、神事や野点(のだて)大茶湯が行われます。
野点大茶湯は、10時から15時まで開催され、京都の花街である上七軒の芸舞妓が点てたお茶をいただくことができます。
野点拝服券は、宝物殿拝観券・撤饌引換券付きで2,000円です。
京都でも芸舞妓さんにお茶を点てていただける機会なんて北野天満宮の梅花祭くらいです。
梅花祭の頃には、有料の梅苑だけではなく、境内自由部分の各所でも美しい梅が咲き誇り、京都でも随一の梅の名所になります。
2021年の梅花祭は、2月25日の木曜日ですが、新型コロナウイルスの影響により野点大茶湯は中止となりました。
御膳10時からの梅花祭の神事のみが斎行されますが、一般の拝観はできません。
上七軒の芸舞妓がたてたお茶を神前に供える「上七軒献茶ノ儀」などが行われました。
天神市は一月に引き続き、梅花祭の二月の開催も中止が決まりました。
菅原道真公の命日は、延喜3年2月25日ですが、これは今の新暦に換算すると903年3月31日に相当します*2。
桜の平年開花日が京都で3月28日、福岡で3月23日であることからすると、すでに梅の見頃は終わっている時期です。
しかし、900年前後はちょうど小氷期にあたり、今より気温が低かったとされています(小氷期の影響で907年に唐、926年に渤海、935年に新羅が滅亡)。
気温が低いと見頃の時期も遅くなるので、菅原道真公は梅が咲く頃に亡くなった可能性は高いでしょう。
珍しい梅のライトアップもおすすめ
3月に入ると、北野天満宮の梅は満開を迎えます。
多彩な品種が咲き乱れる梅苑では夜間も開苑され、京都でもここだけの夜桜ならぬ「夜梅」のライトアップもおすすめです。
開催時期は梅の開花状況によって変動はあるものの、概ね2月末から3月中旬ごろです。
2021年は、2月26日(金)~3月14日(日)の金・土・日に開催予定でした。開始は予定どおりでしたが、梅の見頃が早かった2021年は、予定を前倒しして3月7日(日)で終了となりました。
日没にあわせて点灯され、最終受付は20時です。
北野天満宮の梅苑のライトアップは、ろうそくで照らし出されます。
ガラスの器に入れられて吊るされたろうそくが、美しく咲き誇る梅をやさしく照らし出します。
梅のかぐわしい香りとあいまって、幻想的なひとときを過ごすことができます。
3月も下旬になると、京都の多くの梅スポットでは終わりを迎え始めますが、例年だと北野天満宮ではまだまだ見頃が続きます。
梅苑の公開は例年3月半ばで終わりますが、紅和魂梅(べにわこんばい)や枝垂梅が、例年だと3月いっぱいまで境内を美しく彩ります。
2021年の梅苑は3月14日(日)で閉苑となります。
年によっては4月に入ってもまだ楽しむことができる場合もあるくらいです。
枝垂梅は、梅苑よりも紅梅殿前付近に多く植えられています。
北野天満宮の本殿前に咲く遅咲きの紅和魂梅は、古くから北野天満宮の御神木として大切にされてきました。
菅原道真公の飛梅(とびうめ)伝説の梅がこの梅であると伝えられてきました。といっても、1,100年以上前の梅が今も残っているはずはありません。梅としてもかなり長寿とはいえ、樹齢は350年程度と推定されています。
しかし、2015年の調査によると、今の紅和魂梅は先代の御神木を接ぎ木によって350年ほど前にクローン増殖された可能性が高いことが判明しました。
接ぎ木という技術自体は、平安時代から記録に残っており、紅和魂梅が本当に菅原道真ゆかりの梅が接ぎ木によって伝えられて来た可能性も出てきました。
伝承は真実だったのかもしれません。
紅梅殿は、菅原道真公の邸宅を模して1917年に作られた調理所を、2014年に移築再整備したものです。
2016年には紅梅殿前に菅原道真邸の庭園を再現する小川などの庭園が整備されました。
北野天満宮について
北野天満宮は、「学問の神様」として篤く信仰されてきた菅原道真公をお祀りする神社です。
日本には八幡、稲荷と並んで多い天満宮あるいは天神社は、その多くが京都の北野天満宮にルーツがあります。
太宰府天満宮、大阪天満宮あるいは防府天満宮と並んで「三大天満宮」と称されます。
大宰府へと左遷された菅原道真公は、無実の罪をはらせないまま大宰府で亡くなりました。
その後、京都では菅原道真公を陥れた藤原時平やその近親者が次々となくなり、御所の清涼殿が落雷で炎上するなど、様々な異変が起こります。
これらは無念の死を遂げた菅原道真公の怨霊の仕業ではないかと恐れられ、その霊をおまつりしたのが京都の北野天満宮のはじまりです。
創建から50年もたたない991年には、朝廷が特別の奉幣をささげる「二十二社」に加えられました*3。
江戸時代ごろからは、学者としても名高かった道真公にちなんで学問の神様として信仰を集めるようになり、今も全国から多くの受験生や修学旅行生たちが集まります。京都の修学旅行では大定番スポットです。
今の北野天満宮の社殿は1607年に豊臣秀頼が再興したものです。本殿や拝殿は国宝に指定されています。
菅原道真公の命日である毎月25日には、北野天満宮の境内とその周辺で「天神市」の縁日がひらかれ、大変にぎわいます。
掘り出しもの探しにおすすめです。京都の骨董好きがこぞって集まります。
梅に集まってくるのは、人だけではありません、蜜を求めて美しいメジロやヒヨドリなども京都中からたくさん集まってきます。
近隣にある花街の上七軒では、梅シーズン終盤には毎年「北野をどり」が開催されます。
2021年は3月20日~4月2日に開催予定でしてが、新型コロナウイルス感染防止のため、中止となりました。
拝観情報
拝観時間 | 5:30~17:30(10~3月) 5:00~18:00(4~9月) 2021年2月12日から当面の間は、 6:30~16:00(平日) 6:30~17:00(土日祝) |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-461-0005 |
住所 | 京都市上京区馬喰町 北野天満宮社務所 |
アクセス | 嵐電「北野白梅町」より徒歩5分 |
公開時間は2021年3月1日現在の情報。非常事態宣言の発令や解除、各種自粛要請の変更に伴い頻繁に変更となるのでご注意を。
北野天満宮「梅苑」
公開期間 | 2月上旬~3月14日(日) 2021年は1月30日に開苑 ライトアップは2月26日(金)~3月7日(日)の金・土・日 当初予定されていた3月12日~14日のライトアップは中止 |
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公開時間 | 9:00~16:00(受付終了は15:40) ライトアップ期間は20:00まで(受付終了は19:40) |
入苑料 | 大人(中学生以上)1,000円 こども 500円 |
公式ホームページ:北野天満宮
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② 京都御苑〈上京区〉見頃:3月上旬~中旬
広大な京都御苑内の各所で咲く梅
京都市民憩いの場となっている京都御苑では、1月末頃から苑内各所で梅がちらほら咲き始めます。
南西部にある約200本の梅林は、2月に入ると咲き始めます。
2021年は早咲きの梅は1月下旬から咲き始めています。
京都御苑の梅林は、戦後に京都各地の神社から梅を集めたのを、接ぎ木によって増やしたがはじまりです。
梅林だけでなく、梅林の南に隣接している出水の小川や宗像神社の北側にも梅があり、2月下旬ごろから一足早く見頃を迎えます。
出水の小川といえば、4月半ばごろに咲く遅咲きのサトザクラで知られますが、最初に見頃を迎えるのは梅です。
京都御苑内にある宗像神社の北側では、ちょうど同じころにロウバイ(蝋梅)も見頃を迎えます。
京都のど真ん中にある200本の梅林
梅林の梅も、例年は3月に入るとようやく見頃を迎え始めます。
木によって個体差が大きく、一斉に見頃を迎えるというわけではありませんが、その分長く楽しめるのが京都御苑の梅林の特徴です。
京都御苑の梅林は、例年だと3月半ばにピークを迎えます。
蜜を求めてメジロやヒヨドリなどがたくさん群がってきます。
梅のお花見という目的だけではなく、バードウォッチングをされている方もよく見かけます。
同じころ、梅林のすぐ南側に隣接する70本の桃林も咲き始めます。
九条家ゆかりの名梅「黒木の梅」
梅林に次いで見頃を迎えるおすすめの梅が、「黒木の梅」として名高い梅です。
五摂家の九条家邸宅にあったという遅咲きの名梅です。
その名のとおり、樹皮は黒っぽい色をしています。
淡紅色で八重の美しい花を咲かせます。
ちょうど近衛邸跡の糸桜と同時期に見頃を迎えます。
九条家邸にあった元の黒木の梅が今も残っていれば、かなりの長寿の梅なのですが、いったん枯死したのを接ぎ木で植え継いだのが今の黒木の梅です。
糸桜にはたくさんの人が集まりますが、静かに楽しめる黒木の梅もおすすめです。
京都三大祭のうち葵祭と時代祭の行列は、京都御所の南門である建礼門前から出発します。黒木の梅のすぐ横をとおり、葵祭は上賀茂神社へ、時代祭は平安神宮へと向かいます。
京都の主役も桜へと移り変わろうとする3月下旬ですが、やや遅咲きの京都御苑の梅林は、例年まだかなり花が残っています。
ちょうど散り桜のように、足元が紅や白に染まった梅林も見事です。
この頃に、すぐ南側に隣接する桃林が満開を迎えます。
梅と桃の競演が見られる、京都御苑ならではの楽しみです。
そして、京都御苑の最後を飾るのが、烏丸通側にある出水口と下立売口の紅梅です。
ソメイヨシノとそう変わらない時期に見頃を迎える、京都市内でも最も遅咲きの梅のひとつです。
年によっては4月に入ってもまだ楽しむことができることもあります。
京都御苑のすぐ北側に隣接している相国寺内の相国寺承天閣美術館では、1月31日(日)~4月18日(日)に企画展「相国寺・金閣・銀閣 宝物展-梅の余薫 / 相国寺の歴史と寺宝」が開催されています。
相国寺・金閣・銀閣に伝わる寺宝のうち、梅にまつわる品々が出展されます。
日本では平安時代以降は花と言えば桜が好まれるようになりましたが、禅僧が好んで描いたり詠んだ花は梅でした。
長谷川等伯筆「探梅騎驢図屏風」や野々村仁清作「梅花紋大壺」などが展示されます。
京都御所を彩る梅
京都御苑内にある京都御所にも、それほど多くはありませんが、梅が咲きます。
京都御所内の梅の見どころと言えば、参観コースでも最後にある参内殿前にある紅白の梅です。
思えば京都御所の通年参観がはじまるまでは、ほとんど見る機会がなかった京都御所の梅。
今は予約もなしでいつでも見られるのは幸せなことです。
参内殿とは、その名のとおり京都御所に参内した貴族たちの入り口です。
ここから京都御所内へと入っていったのです。
京都御所のメインのお庭である御池庭(おいけにわ)には、一本の白梅が咲きます。
それほど目立ちはしませんが、風格のある梅で全体を引き締めてくれます。
御池庭は江戸初期の作庭で、小堀遠州もかかわったと言われます。
洲浜と池を配した伝統的な庭園です。
御池庭の正面にある小御所は、幕末維新期に王政復古のクーデターの現場となった建物です。ただし、今の建物は戦後の再建です。
御池庭の北にある御内庭(ごないいてい)にも紅梅や白梅が植えられています。
天皇が日常を過ごした御常御殿のお庭です。
京都御所と同じく宮内庁が管轄している京都仙洞御所(せんとうごしょ)にも梅が咲きます。
日本を代表する名庭として知られますが、梅は少な目です。
京都仙洞御所内にある、皇族専用の宿泊所である大宮御所の南庭には、紅白の立派な梅が咲きます。
今の皇族が入洛するたびに宿泊されます。
京都仙洞御所は京都御所と異なり予約が必要です。
ただし当日参観も可能なので、タイミングがよければ参観できることもあります。
京都仙洞御所はガイドツアー形式で所要時間は60分弱です。
上皇の御所であった仙洞御所は、これまで京都にしかなかったために単に「仙洞御所」と称されてきましたが、退位に伴い東京にも仙洞御所(旧吹上仙洞御所)ができるため、「京都仙洞御所」に改称されました。
京都御苑について
京都市街の真ん中に広大な緑が広がる京都御苑は、京都市民にとってオアシスのような存在です。
江戸時代までは皇族や公家の屋敷が建ち並んでいたところで、幕末維新期には、数々の歴史的事件の現場となりました。
維新後、皇族や公家は東京へと移住して荒廃しましたが、京都の荒廃を案じる明治天皇の意思で公園として再整備されました。
はじめは宮内省・宮内庁の所管でしたが、1949年に厚生省へと移管され、1971年から環境庁(環境省)の所管となっています。
なお京都御所と京都仙洞御所は宮内庁、京都迎賓館は内閣府が所管しています。
春の桜、秋の紅葉・黄葉をはじめ、四季を通じて花が美しい京都の花スポットです。
京都御苑情報
入苑時間 | 日中随時 |
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入苑料 | 苑内自由 |
住所 | 京都市上京区京都御苑 |
アクセス | 地下鉄「丸太町」よりすぐ 地下鉄「今出川」よりすぐ |
京都御所情報
参観時間 | 9:00~15:50(最終退出は16:30) |
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休止日 | 月曜日(休日場合は翌火曜日) |
参観料 | 無料 |
TEL | 075-211-1215 |
住所 | 京都市上京区京都御苑1 |
アクセス | 地下鉄「今出川」より徒歩で5分 |
京都仙洞御所情報
参観時間 | 13:30,14:30,15:30 (当日参観の場合。新型コロナの影響により当面は14:30の回はなし) |
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休止日 | 月曜日(休日場合は翌火曜日) |
参観料 | 無料 |
TEL | 075-211-1215 |
住所 | 京都市上京区京都御苑2 |
アクセス | 地下鉄「丸太町」より徒歩で13分 |
公式ホームページ:宮内庁参観案内:施設情報:京都仙洞御所
公式ホームページ:京都御苑 | 一般財団法人国民公園協会
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③ 二条城〈中京区〉見頃:3月上旬~中旬
美しい石垣をバックに映える梅林
二条城には、天守台の内堀を隔てた南側に50品種130本の梅林が広がります。
京都を代表する梅の名所のひとつですが、梅林が整備されたのは1954年とそれほど古い歴史があるわけではありません。
樫の木が生い茂っていたところに、見頃を迎えるのはやや遅めです。
2月に入るとちらほら咲はじめ、見頃となる3月に入ってからがおすすめです。
梅林で実った梅の実は、もともとは廃棄されていましたが、近年は地元の方によって採取されます。加工販売し、収益は二条城に寄付されているそうです。
たとえば堀川三条の林龍昇堂さんでは、「二条城 梅だより」というお香に加工されています。
梅の香りを自宅でも簡単に味わえるとあって、人気商品になっています。
二条城の梅のおすすめポイントといえば、何といっても天守台をバックに見られるということです。
かつて京都の町を見下ろしていた天守閣は1750年に落雷により焼失してしまったためにありませんが、精緻な石垣はそれだけでも見ごたえ十分です。
例年、2月~3月は京都検定の合格者証を提示すれば無料で入城できるので、二条城の梅を楽しむのにはとても便利です。
二条城について
今の二条城は、徳川家康が将軍家の京都での宿泊所として、また天皇や公家を守護するために建てた城です。
実際は朝廷を見張ることが目的だったともいわれます。
日本のターニングポイントである、あの「大政奉還」が発表されたのもここ二条城です。
江戸幕府の15代将軍である徳川慶喜が京都にいる大名を集めた二の丸御殿は、今も当時と同じままに残っています。
武士の社会が終わりを告げたのは、慶応3(1867)年10月14日のことでした。
明治維新後は1885年まで京都府庁が置かれました。
その後は二条離宮と改称し、宮内省の所管で京都御所の補助的な役割を果たしてきました。
1939年には宮内庁から京都市へと移管され、恩賜元離宮二条城として、一般への公開も始まりました。
今も正式名称は「元離宮二条城」といいます。
2006年には財団法人日本城郭協会から「日本100名城」に選定されました。
決して実戦的な城郭ではなく、実戦経験もありませんが、歴史的には非常に重要な役割を果たしてきたことが評価されたのでしょう。
京都府からは唯一の選出となりました*5。
入城情報
開城時間 | 8:45~17:00(受付は16:00) |
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入城料 | 一般 620円(二の丸御殿は別途410円) 中高生 350円 小学生 200円 |
住所 | 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541 |
アクセス | 地下鉄「二条城前」よりすぐ |
公式ホームページ:二条城
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④ 梅小路公園〈下京区〉見頃:1月下旬~2月下旬
京都一の早咲きの多彩な品種の梅の名所
梅小路という地名自体が、梅が植えられていたことに由来するという平安京の道路である梅小路にはじまります。
ただし実際に梅が植えられていたのかどうかは定かではありません。
公園の南東部のある梅林では、16品種140本の梅が植えられています。
2000年に下京区120周年を記念して開設されました。
ちなみに下京区ができたのは、1879年です。1889年にできた京都市よりも古い歴史があります。日本全国にある行政区の中でも、とりわけ由緒正しいのが下京区です。
今も近隣の企業等からの寄付により、年々梅の数が増えつつあります。
梅林の中でも半分近くを占めている八重寒紅(やえかんこう)と大盃(おおさかずき)は、早咲きの品種のため、京都の梅の名所の中でも、いち早く見頃を迎えます。
年明けから咲きはじめる八重寒紅は、例年だと1月末に見頃を迎え、2月いっぱいまで美しく咲き誇ります。
同じく早咲き品種の白梅である冬至梅も同時期に見頃を迎えます。
床几に座ってゆっくり楽しみたい「梅まつり」
梅林全体が見頃を迎える2月末ごろには、1週間程度「梅まつり」が開催されます。
梅林内に置かれた床几(しょうぎ)に座ってゆっくり梅を眺めたり、無料の梅の剪定(せんてい)講習会に参加することができます。
例年の梅まつりは、2月末~3月上旬の9日間開催されます。2020年はコロナウイルスのために中止となりました。
2021年も「市民しんぶん」2月号に実施予定と大きく掲載されており、楽しみにしていましたが、中止となりました。
各種イベントの開催や床几の設置こそありませんが、2021年も梅林内部まで公開されています。
週末や祝日ともなれば、屋外ということもあって比較的多くの人で賑わいます。
かつては貨物駅や市場の近隣ということで、倉庫などが多かったですが、近年はマンションなどがどんどん増えています。
子育て世代には人気の高いエリアです。
梅林で実った梅の実は、毎年5月下旬ごろに開催される「梅の実とり体験」で採取されます。
参加費は無料で先着150名程度が参加できます。
とった実の一部は持ち帰ることもでき、知る人ぞ知る人気イベントです。
梅の品種を学ぶに最適な梅小路公園
例年3月に入ると、梅林のメインだった八重寒紅など早咲きの梅は散りはじめますが、大盃(おおさかずき)や月影(つきかげ)、淋子梅(りんしばい)、白加賀などが次々と見頃を迎えます。
ほぼ全ての梅の木には、品種名の札がつけられています。梅小路公園は、多彩な梅の品種を学ぶにも最適でおすすめです。
梅小路公園に掲示されている梅の品種説明には、冬至、八重寒紅、白加賀、新平家、豊後、月影、緋の司、春日野、紅千鳥、鹿児島紅、大盃、八重野梅、見驚、淋子梅、玉垣枝垂の15品種が掲載されています。
なぜか掲載されていませんが、藤牡丹枝垂もあるので、2021年現在では計16品種の梅を見られることになります。
公園南東部の梅林だけでなく、公園南部の芝生広場南側に広がる梅も見頃を迎えます。
紅白入り混じって咲く珍しい春日野などの品種が見られておすすめです。
そして、最後を飾るのがJR嵯峨野線沿いに植えられている遅咲きの豊後です。おおぶりの花が美しく咲き誇ります。
園内では、同じ頃に枝垂桜や早咲きの桜である陽光が開花します。
線路のすぐ横なので、京都駅を発着する嵯峨野線*6の車窓からも開花状況をよく観察できます。
JRの線路のさらに内側を走るのが、「SLスチーム号」です。
本物の蒸気機関車があ京都鉄道博物館から発着します。
鉄道好きは、反対側を行きかうJRの在来線や新幹線に夢中かもしれませんが、公園側に咲く梅もぜひ車窓から楽しんでください。
2020年12月26日(土)~2021年3月14日(日)までは、映画「鬼滅の刃」とのコラボ企画で8630号機は「無限列車」仕様になっています。
鉄道ファンだけでなく、鬼滅ファンも大注目です。
梅小路公園について
かつては貨物駅が広がっていましたが、跡地を再整備して1995年にオープンしました。
自然あふれる13.7ヘクタールの公園で、週末には多くの家族連れで賑わいます。
2012年に京都水族館、2016年に京都鉄道博物館がオープンし、2019年3月に梅小路京都西駅が開業しました。
2020年12月には梅小路ポテル京都*7、2021年3月にはザ ロイヤルパークホテル 京都梅小路がオープンします。
ホテルも次々と開業し、京都でも大きく様子がかわりつつある、今注目のおすすめエリアです。
入園情報
入園時間 | 日中随時 |
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入園料 | 園内自由 |
TEL | 075-352-2500 |
住所 | 京都市下京区観喜寺町56-3 |
アクセス | JR「梅小路京都西」よりすぐ |
梅まつり→開催中止
開催期間 | 2月27日(土)~3月7日(日) |
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開催時間 | 10:00~15:00 |
料金 | 無料 |
公式ホームページ:梅小路公園| 京都市都市緑化協会
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⑤ 興正寺〈下京区〉見頃:2月中旬~3月下旬
京都駅からも近い隠れた梅の名所
京都駅からも歩いて行けるところにある、隠れた梅のおすすめスポットが興正寺(こうしょうじ)です。
観光の対象となる寺院が少ない浄土真宗のお寺ですが、花の名所として知られます。
門をくぐると左右に早春の京都を彩る紅白の梅が出迎えてくれます。
例年、まず紅梅が1月末から咲き始めます。
2月半ばになると、まず門をくぐってすぐ右手にある早咲きの紅梅が見頃を迎えはじめます。
門の前から見るとちょうど奥に、お隣にある西本願寺の巨大な御影堂(ごえいどう)が見えます。
白梅はまだようやく咲き始めたところです。
三門前の美しい紅白の梅
例年だと3月に入ると、早咲きで見頃を越えつつある紅梅と、遅咲きで見頃に入ったところの白梅が並びます。
紅梅も白梅も見頃というおすすめの期間はわずかです。
2021年は2月下旬ごろがどちらも見頃です。
例年、3月も半ばになると、興正寺の梅は散りはじめます。
石灯籠の間からのぞく梅というのが、知る人ぞ知る興正寺のおすすめ定番構図です。
梅と石灯籠の配置が絶妙です。
2021年現在、大阪北部地震や度重なる自信にる損傷を復旧するため、大規模な修復工事が行われています。
2021年の梅シーズンは、御影堂は足場で覆われていることでしょう。
七条通りに面していた宿坊の興正会館は解体されています。
興正寺について
西本願寺のすぐ南隣にある真宗興正派の本山寺院です。
お隣の西本願寺が巨大なため、小さく見えますが、東本願寺、西本願寺、仏光寺、専修寺(せんじゅじ)と並んで浄土真宗五門跡の一角を占めた有力寺院です。
明治になって西本願寺から独立し、真宗興正派の本山となりました。
1912年に再建された御影堂は高さ28mを誇ります。
2017年に弱冠20代の女性である華園真慶さんが門主に就任したことでも話題となりました。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:00 |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-371-0075 |
住所 | 京都市下京区七条上ル花園町70 |
アクセス | JR「京都」より徒歩13分 |
公式ホームページ:本山興正寺
⑥ 菅大臣神社〈下京区〉見頃:3月上旬~下旬
街中に隠れた梅の名所
京都市の中心部にある小さな神社が菅大臣(かんだいじん)神社です。
梅を愛した菅原道真を祀る天満宮らしく、本殿前には紅梅、白梅、枝垂梅が植えられています。
これまでに紹介した名所と比べるとそれほど多くの梅があるというわけではなく、見頃の時期もずれますが、2月に入ると、まず白梅が咲き始めます。
そして例年3月に入ると、白梅に続いて紅梅や枝垂梅も咲きはじめ、見頃を迎えます。
菅原道真公生誕地と伝わる地にある由緒ある神社です。
別名は菅大臣天満宮です。
御所の西側に似た名前の菅原院天満宮という神社もありますが、そちらも菅原道真公生誕地という伝承があります。
うっかり菅大臣神社と菅原院天満宮を間違えてしまったこともあるのでご注意を。
本殿前の紅梅は、菅原道真公の飛梅伝説にちなんで昭和30年代に植えられた梅です。
かなり遅咲きで、3月中旬から下旬ごろにかけて見頃を迎えます。
菅総理大臣が誕生し、2021年の菅大臣神社は例年よりもにぎわいを見せることがあるのでしょうか。
菅大臣神社について
菅原道真公生誕地にある神社です(京都市内だけでも多数の生誕伝承地があります)。
本殿は1872年に下鴨神社から移築したものです。
北の仏光寺通、西の西洞院通、南の高辻通の三方から参道があります。
すぐ北側には菅原道真公の父・是善(これよし)を祀った北菅大臣神社があります。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-351-6389 |
住所 | 京都市下京区仏光寺通新町西入菅大臣町 |
アクセス | 地下鉄「四条」より徒歩5分 |
⑦ 下鴨神社〈左京区〉見頃:2月下旬~3月中旬
あの名画のモデルとなった「光琳の梅」
下鴨神社といえば、光琳(こうりん)の梅です。
琳派(りんぱ)の祖である尾形光琳の最高傑作にとどまらず、日本絵画の最高峰のひとつとして知られる「紅白梅図屏風」は、ここ下鴨神社の御手洗川(みたらいかわ)の梅をモデルとして描かれたともいわれます。
例年、下鴨神社の光琳の梅は2月半ばから咲きはじめ、3月に入ると見頃を迎えます。
当然のことながら、300年以上前に光琳が描いたという梅の木とは同じではなく、紅白梅図屏風の梅とは枝振りなども異なります。対になる白梅もありません。
そもそも、尾形光琳が下鴨神社の梅を紅白梅図屏風のモデルとしたという話しも、伝承の域を出るものではありません。
朱塗りの建物群に映える紅梅
光琳の梅の人気の理由は、絵のモデルになったということだけではありません。
周囲に並ぶ、朱塗りの輪橋(そりばし)、鳥居、楼門などと鮮やかな紅色のコントラストの美しさが見事です。
とても絵になる景色を楽しむことができます。
光琳の梅は、例年3月なかばくらいまで見頃が続きます。
みたらし団子発祥の地として知られる境内の御手洗池(みたらしいけ)から発する御手洗川にかかる輪橋。
輪橋には注連縄がかけられており、渡ることはできません。しかし、毎年7月に行われる御手洗祭りでは、輪橋の下をくぐることができます。
下鴨神社について
京都最古の神社の一つで、上賀茂神社と並んで山城国の一宮でもあります。
周囲を鎮守の森である原生林・糺の森(ただすのもり)に包まれた静かな社です。
平安遷都後は、都の守り神として朝廷からも篤く信仰されてきました。
かつて単に「祭り」とも称された葵祭は、上賀茂神社と下鴨神社の祭礼です。
世界文化遺産にも選ばれており、境内のほぼすべての社殿が重要文化財・国宝に指定されています。
例年光琳の梅が見頃を迎える3月3日の桃の節句では、「流し雛」が行われますが、2021年は新型コロナウイルスの影響により、中止となりました。
拝観情報
拝観時間 | 6:30~17:00 糺の森は日中随時 |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-781-0010 |
住所 | 京都市左京区下鴨泉川町59 |
アクセス | 京阪「出町柳」より徒歩10分 |
公式ホームページ:下鴨神社|賀茂御祖神社
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洛東の梅おすすめスポット6選
京都の東部である洛東には、それほど知名度の高い梅の名所はありません。
しかし、法住寺、大豊神社などしる人ぞしる個性的な梅のおすすめスポットがずらりと並びます。
① 雲龍院〈東山区〉見頃:3月上旬~下旬
庫裏前の清楚な美しさの白梅
泉涌寺(せんにゅうじ)でも最も奥に位置する塔頭が、雲龍院です。
個性的な梅で人気の雲龍院では、まず門をくぐって拝観受付のある庫裏(くり)前が見どころです。庫裏前には、見事に整えられた樹形の梅の古木が2本あります。
ここまでなら拝観料は必要ありません。
まず、庫裏前の特徴的な白梅が例年1月の終わりごろから咲き始め、2月下旬ごろに見頃を迎えます。
ただし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言によって、2021年は1月17日(日)~2月28日(日)まで拝観休止でしたが、3月1日(月)から再開しました。
泉涌寺も同じく3月1日(月)から再開しています。
凛として静かな空気に包まれた雲龍院の参道に、清楚な印象の白梅が静かに咲くという心に染みるおすすめの景色です。
「悟りの窓」を彩る紅梅
雲龍院のもうひとつの見どころは、新荘(しんぞう)の悟りの間にある「悟りの窓」から見える紅梅です。
悟りの間には、四角い「迷いの窓」と丸い「悟りの窓」があります。
丸い窓は、悟りの境地をあらわしたものです。
ちょうど同じ時期には早咲きの河津桜(カワヅザクラ)も見頃を迎えます。
「悟りの窓」が一年で最も美しいのは、梅の季節です。
例年、3月半ばになると、窓のちょうど向こう側にある紅梅が見頃を迎えます。
「迷いの窓」「悟りの窓」といえば、京都では鷹峯の源光庵が有名ですが、改修工事のため2021年秋まで拝観休止中です。2021年に見られるのはここ雲龍院だけです。
なお丸い窓だけであれば、それほど珍しいものではありません。
少なくとも数か所で見ることができます。
続いて見頃を迎えるのが、庫裏前の紅梅の古木です。
この紅梅は、京都でも見頃が遅い梅のひとつとして知られます。
例年3月中旬から咲きはじめ、見頃を迎えるのは3月の下旬です。
枝垂桜と見頃が同じくらいという遅さです。
品種としては摩耶紅梅(まやこうばい)になります。
随心院の「はねずの梅」と同じです。以前は雲龍院の住職が随心院も兼務しており、ルーツは同じです。
雲龍院について
泉涌寺の山内でも最も奥にある塔頭寺院です。
1372年に勅願によって創建され、
泉涌寺に9ヶ寺ある塔頭のなかでも、別格本山として高い格式を与えられています。
古くから写経道場としても知られ、室町時代のはじめに後円融天皇の勅願によって写経会がはじまり、今も続けられています。今も写経体験が盛んに行われています。
本堂での写経体験は、拝観料・御抹茶込みで1,500円です。
拝観情報
2021年1月17日(日)~2月28日(日)まで拝観休止。3月1日(月)より再開済
拝観時間 | 9:00~17:00(受付は16:30) |
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拝観料 | 400円 |
TEL | 075-541-3916 |
住所 | 京都市東山区泉涌寺山内町36 |
アクセス | 市バス「泉涌寺道」より徒歩15分 |
写経体験
時間 | 10:00~15:00 |
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体験料 | 1,500円 (拝観料・御抹茶込み) |
場所 | 雲龍院龍華殿 |
所要時間 | 写経体験・拝観を含めて約1時間30分程度 |
事前予約 | 不要 |
公式ホームページ:御寺泉涌寺 別院 雲龍院
② 智積院〈東山区〉見頃:2月下旬~3月中旬
艶やかな紅梅と清楚な白梅
四季を通じて美しい花で彩られる智積院(ちしゃくいん)ですが、早春の主役は梅です。
金堂へと向かう参道の両脇にある梅林が見事です。
境内自由エリアなので、早朝から夕暮れどきまで無料で楽しむことができます。
早咲きの梅は例年1月から咲き始めますが、多くの梅が咲き始めるのは例年2月中旬ごろからです。
「梅林」との看板があるのは拝観受付前付近です。特に名称はありませんでしたが、近年「梅林」という看板が設置されました。
拝観受付前から金堂前まであたりに紅白の梅が並びますが、その他境内各所にも点々と梅が植えられています。
どこもまだ背丈の低い梅で、まだまだこれから伸び盛りです。
参道両脇よりも一足早く見頃を迎えるのが、あじさい苑の梅です。
金堂の裏側にあり、わかりにくいところにありますが、紅白の梅が例年2月下旬から3月上旬にかけて咲き誇ります。
初夏にはその名のとおり、あじさいが見事なところです。
多彩な品種が植えられており、見頃の時期はそれぞれ少しずつ違いますが、例年だとおおむね3月中旬になると、参道両脇の梅が見頃を迎えます。
艶やかな濃い紅色の紅梅や清楚な色合いの白梅が春の風情を漂わせます。
智積院が所蔵する絵画といえば、長谷川等伯・久蔵父子による「楓図」「桜図」が知られます。
それ以外にも、宝物館では梅を描いた「松に梅図」も見ることができます。作者は不詳ですが、長谷川等伯が下絵を描いたとも言われます。
2021年は1月9日から2月28日まで密厳堂や宸殿の障壁画が特別公開される予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って残念ながら延期となりました。
梅の花が咲く梅林とは全く関係ありませんが、智積院で行われた2018年の暁天講座(ぎょうてんこうざ)では、日本高低差崖会崖長として知られる梅林秀行さんの講演が開催されました。
とても面白かったです。
智積院について
末寺3,000を誇る真言宗智山派の総本山です。
智山派には、成田山新勝寺や川崎大師、大須観音など智積院より知名度の高い名だたる寺院が末寺に連なります。
豊臣秀吉が3歳で亡くなった長男の鶴松を弔うために贅を尽くして建立した祥雲寺のあとを引き継いだため、長谷川一門による桜・楓図(国宝)などを所蔵しています。
京都十三仏霊場の第1番でもあります。
2020年には建て替え工事を終えた宿坊の智積院会館がリニューアルオープンしました。
2021年1月には、新し展示・収蔵庫新築工事が始まりました。完成は2023年春頃の予定です。
初夏のあじさい、桔梗、秋の紅葉など四季を通じて美しい花々が楽しめるお寺です。
拝観情報
拝観時間 | ■収蔵庫および名勝庭園 9:00~16:00 参道は日中随時 |
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拝観料 | ■収蔵庫および名勝庭園 一般 :500円 中学生・高校生:300円 小学生 :200円 参道は境内自由エリア |
TEL | 075-541-5363 |
住所 | 京都市東山区東大路通七条下ル東瓦町964番地 |
アクセス | 市バス「東山七条」より徒歩すぐ 京阪「七条」より徒歩10分 |
2021年3月6日(土)~10日(水)は講堂・名勝庭園エリアは拝観休止
公式ホームページ:真言宗智山派 総本山智積院
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③ 法住寺〈東山区〉見頃:3月上旬~中旬
紅白を咲き分ける思案梅
小さいながらも多彩な梅が咲く法住寺で、最初に見頃を迎えるのは、龍宮門前に咲く紅梅です。
例年2月中旬から咲きはじめ、2月末から3月上旬にかけて見頃を迎えます。
濃い紅色をした鮮やかな花を咲かせ、香りも強めです。
龍宮門前の紅梅が散りはじめる3月上旬から中旬にかけて見頃を迎えるのが、境内にある桃色の枝垂梅です。
ちょうど十三重の石塔に覆いかぶさるように咲き誇り、絵になる景色を楽しむことができます。
そして、3月中旬から下旬にかけて見頃を迎えるのが、不動堂前の思案梅です。
赤い花を咲かそうか、白い花を咲かそうか、思案しながら咲いているというのが名前の由来です。
紅白に咲き分ける梅は「思いのまま」「春日野」など数品種ありますが、この梅の品種はわかりません。思案梅というのは固有名詞です。
ところどころ赤いですが、大半は白い花に覆われています。遅咲きの思案梅は、桜が咲き始めることまで元気に咲き続けます。
関西では珍しい「吊り雛展」
ちょうど梅の季節に開催される、法住寺のおすすめ行事が「吊り雛展」です。
例年、雛祭りの前後の時期に5日間程度だけ通常非公開の書院で開催されます。
もとは伊豆地方の伝統行事で、京都だけでなく関西一円を見渡してもなかなか見られないおすすめの雛祭り行事です。
西洋人形も並ぶなど、よくある雛祭りとは異なる体験ができます。
まだあまり知られていませんが、フォトジェニックな京都の行事として、人気を集めつつあります。
ただし、現在は吊り雛展は撮影禁止になっているのがちょっと残念なところです。
例年桃の節句の3月3日までの一週間開催されます。2021年はやや短く2月27日(土)~3月3日(水)の開催予定です。
2021年は吊り雛展にくわえて「しょうぐう展」も初開催されます。
天台宗の「一隅を照らす運動」のキャラクターである「しょうぐうさん」が阿弥陀堂に飾らます。
こちらは吊り雛展とは違って、一部撮影可能です。
吊り雛は伊豆地方の行事とのことですが、法住寺の吊り雛展では関西風に、向かって右側が男雛で左側が女雛が飾られています。
法住寺の身代わり不動尊は、忠臣蔵の大石内蔵助が願をかけ、見事大願成就を果たしました。
忠臣蔵ゆかりのお寺として、四十七士像も安置されています。
本堂では、疫病退散の「しょうぐう大師」もいらっしゃいます。
特に説明はありませんが、この特徴的な角は元三大師(良源)さんでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、拝観には人数制限も行われます。
疫病退散の力があったといわれる元三大師さん、コロナ退散をよろしくお願いします!
吊り雛展の書院としょうぐう展の阿弥陀堂へと向かう廊下からは、いつもと逆側から見た梅を見ることができます。
3月3日の桃の節句には、お隣の三十三間堂で春桃会(もものほうえ)が行われ、無料公開などが行われます。
2021年は新型コロナウイルスの影響によって順延となり、3月25日(木)に千体仏国宝指定慶讃結願大法要が執行されます。
なお桃の節句とは言いますが、例年この時期にはまだ桃は咲いていません。梅がちょうど満開を迎えている時期です。
法住寺について
後白河天皇の宮廷である法住寺殿が営まれた地にあります。
今もすぐ隣に後白河天皇陵があります。源頼朝をして「日本一の大天狗」と言わしめた人物です*8。
明治にいたるまで、法住寺は後白河天皇陵の御陵寺院でした。
源平時代には歴史の表舞台として様々な事件の現場となりました。
木曽義仲が絶対絶命のピンチを覆して一時覇権を確立した、法住寺合戦の舞台でもあります。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:30 |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-561-4137 |
住所 | 京都市三十三間堂廻り町655 |
アクセス | 京阪「七条」より徒歩8分 |
まごころ伝える「つり雛展」そして、一隅を照らす「しょうぐう展」
開催期間 | 2月27日(土)~3月3日(水) |
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受付時間 | 9:00~16:00 |
志納金 | 600円(堂内参拝料500円込み) |
公式ホームページ:後白河法皇御所聖跡 天台宗 法住寺
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④ 清水寺〈東山区〉見頃:3月中旬
仁王門に映えるの紅白の梅
京都を代表する観光名所である清水寺は、ちょっとした梅の名所でもあります。
例年3月に入ると咲き始める、清水寺の入口にあたる仁王門前の紅白の梅がおすすめです。
背後の仁王門は室町時代再建の重要文化財です。
2003年に解体修復工事が完了し、再建当初の鮮やかな朱色に塗り直されました。
「赤門」とも言われる美しい門です。
門前から振り返ると、見事な京都の町並が広がります。
門にかかる「清水寺」の扁額は三蹟(さんせき)のひとりである藤原行成(ふじわらのゆきなり/こうぜい)の筆によるものです。
仁王門前の狛犬は、「清水寺七不思議」*9のひとつでもあります。
朱塗りに仁王門に紅梅が映えます。
左右両方ともが口をあけた阿形(あぎょう)になっているのが“謎”とされています。
東大寺南大門の同じく両側とも阿形の狛犬を模したためと言われています。必ずしも阿吽のセットではなかった古い形態の狛犬なのです。
清水寺について
断崖の上にせり出した本堂は、「清水の舞台から飛び降りる」ということわざで有名です。
舞台は、クギを一本も使わず木材を組みあわせて造られています。
舞台から見る京都市街の見晴らしは最高です。
長寿、ロマンス、学問のいずれかを選んで祈願する「音羽の滝」など広い寺域には見どころがいっぱい。
時期によっては午後6時まで開門されているので最後に訪れるものもおすすめです。
2017年2月から始まった「平成の大改修」も、本堂の屋根の葺き替え工事が完了し、本堂を覆っていた素屋根も撤去され、2020年12月にはいつもの姿が帰ってきました。
拝観情報
拝観時間 | 6:00~18:00(1/1~3/5) 6:00~21:30(3/6~15) 6:00~18:00(3/16~26) |
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拝観料 | 大人 400円 小中学生 200円 |
TEL | 075-551-1287 |
住所 | 京都市東山区清水1丁目294 |
アクセス | 京阪「清水五条」より徒歩25分 市バス「五条坂」より徒歩10分 |
公式ホームページ:音羽山 清水寺
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⑤ 祇園白川〈東山区〉見頃:3月上旬~中旬
8年連続日本一の名旅館を彩る白梅
京都らしい町並みが広がる祇園白川では、例年3月に入ると料理旅館白梅(しらうめ)前の白梅が咲きはじめます。
大きな木ではありませんが、樹齢100年を優に超えるというよく手入れされた古木です。
白梅旅館前以外にも、比叡山と大文字山を水源とする白川沿いには、ところどころに梅が植えられています。
美しい梅の花が風情ある町並に溶け込みます。
この白川で採取された川砂の「白川砂」は、庭園用の砂利として最高級扱いされてきました。
料理旅館白梅は、トリップアドバイザーによる「トラベラーズチョイス ホテルアワード」で、旅館部門国内8年連続首位となったこともある、京都だけでなく日本を代表する旅館です。2020年も第3位にランクインしています。
江戸時代に茶店として創業し、1949年から今のように料理旅館として営業しています。
白川にかかる橋は、料理旅館白梅さんの敷地内です。
梅を楽しむときも敷地内には入らず、道路側から眺めるようにしましょう。
「白梅」という名称も、先代の大女将が愛したというこの白梅の古木に由来します。
西隣の「お茶と酒 たすき」も人気のお店で、行列ができているのを見ることもあります。
行列に並ぶ時間は退屈ですが、すぐ近くの梅が癒してくれることでしょう。
祇園白川について
祇園は、京都でも東の端にある八坂神社の門前町として生まれ、江戸時代から大衆文化の街として発展してきました。
特に新橋通には江戸末期から明治初期の町家が残り、京都市内でも4ヶ所しかない「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています
今回主に取り上げた白川沿いの道は、琵琶湖疏水から防火用水を運搬するための通路として、戦時疎開によって誕生したという実は歴史の浅い道です。
例年、梅の見頃が終わりを迎えるころには「祇園白川さくらライトアップ」が開催されます。
2021年は3月26日(金)~4月4日(日)に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により、2年連続での中止が決まりました。
1990年から始まったイベントでしたが、幽玄に照らし出される枝垂桜やソメイヨシノが人気を呼び、あまりの混雑によって2017年・2018年は中止となりました。2019年に3年ぶりに開催されていました。
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⑥ 大豊神社〈左京区〉見頃:3月下旬
枝垂梅と枝垂桜が同時に見頃を迎える穴場
大豊(おおとよ)神社の梅は、本殿前に1本あるだけですが、その1本だけで知る人ぞ知る梅の名所です。
例年だとようやく3月も半ばごろから咲き始める京都でも遅咲きの赤い枝垂梅です。
京都でも最も遅咲きの梅のひとつです。
樹齢は250年以上とも言われる古木で、京都でも屈指の大きな梅の木でもあります。
例年3月も下旬に入ると、ようやく見頃を迎えます。
ひとつひとつの花も美しい八重をしており、見ごたえじゅうぶんです。
大豊神社の梅の見どころは、枝垂梅と枝垂桜の夢の競演です。
右の濃いピンク色の花が枝垂梅、左の薄いピンク色の花が枝垂桜です。
通常は、梅が散ってから桜が咲くのですが、大豊神社の枝垂梅は遅咲きのため、やや早咲きの枝垂桜と見頃の時期がかぶり、梅と桜が並び立つというめったにない光景を見られるのです。
といっても、満開の時期は枝垂梅の方がやや早く、枝垂梅も枝垂桜も見頃というのは、年にもよりますが、3日間程度の限られた期間です。
樹齢250年を越える枝垂梅に対し、枝垂桜の樹齢はまだ40年ほどです。
大豊神社といえば、珍しい狛鼠(こまねずみ)が有名です。
2020年は子年ということで、大豊神社も大いに賑わいを見せました。12年に一度のこととはいえ、哲学の道まであふれかえる行列には驚かされました。
梅の時期には、境内に咲く椿でおめかしされています。
かわいらしい狛鼠もおすすめです。
大豊神社について
887年に創建されたと伝えられる神社で、鹿ヶ谷(ししがたに)一帯の産土神として信仰されています。
末社の大国社では、神の使いとして狛犬ならぬ「狛鼠」があることで有名です。日本唯一ともいわれます。
毎年子年には、京都だけでなく全国から多くの参拝者が訪れます。
人気観光スポットである哲学の道から、ちょっとだけ脇に入ったところにあるので、是非お立ち寄りを。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-771-1351 |
住所 | 京都市左京区鹿ケ谷宮ノ前町1 |
アクセス | 市バス「宮ノ前町」より徒歩5分 |
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洛南の梅おすすめスポット3選
京都の南部から宇治・南山城地域にかけての洛南には、北野天満宮をしのぐ人気を誇る枝垂梅の城南宮など、ここでしか見られない絶景がある梅のおすすめスポットがあちこちにあります。
① 吉祥院天満宮〈南区〉見頃:3月上旬~中旬
道真公生誕地に咲く梅
菅原道真公生誕地ともいわれる吉祥院天満宮では、参道脇にある梅が例年1月下旬ごろから咲き始めます。
本数も多くはなく、まだ小さ目の木が多いですが、これからの成長に期待です。
吉祥院天満宮について
吉祥院天満宮は菅原道真公の生誕地といわれます。菅原道真公のへその緒を納めたという「胞衣塚(えなづか)」や「産湯の井跡」が遺されています。
もっとも、京都だけでも他に菅大臣神社(下京区)や菅原院天満宮(上京区)など生誕地伝承地はあり、大阪や奈良も含めるとかなりの伝承地があるため実際のところは不明です。
菅原道真公が亡くなって31年後の934年に初めて社殿が築かれたとされています。
洛陽天満宮二十五社のひとつです*10。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-691-5303 |
住所 | 京都市南区吉祥院政所町3 |
アクセス | JR「西大路」より徒歩15分 |
② 城南宮〈伏見区〉見頃:2月下旬~3月中旬
梅の概念が変わる!枝垂梅が咲き乱れる神苑
同じ梅でも、北野天満宮をはじめとする京都の梅スポットとはかなり違った梅を楽しめるおすすめスポットが城南宮です。
城南宮の梅の主役は「枝垂梅」。
城南宮の神苑では、例年2月半ばから「春の山」で枝垂梅が咲き始めます。
例年2月下旬になると、枝垂梅が見頃を迎え始めます。
城南宮では、毎年2月下旬ごろから3月中旬ごろに、「しだれ梅と椿まつり」が行われます。
150本ある枝垂梅だけでなく、32品種ある椿も主役です。
散った椿と枝垂梅の景色が城南宮のおすすめ定番構図のひとつです。
祭り期間中には、毎日梅が枝神楽が行われたり、植木市の出店が行われたりします。
2021年は2月18日(木)~3月22日(月)に開催されています。
城南宮のしだれ梅の見頃は、観測記録が公開されています。
2011年 3月3日 ~19日
2012年 3月10日~22日
2013年 3月8日 ~17日
2014年 3月10日~20日
2015年 3月8日 ~18日
2016年 2月23日~3月8日
2017年 3月1日 ~15日
2018年 3月6日 ~15日
2019年 2月28日~3月10日
2020年 2月16日~3月1日
2021年は、2020年ほどではないにしても、2020年に次ぐスピードで開花が進んでいます。
見頃は2月下旬頃から3月上旬ごろまでと見込まれます。
例年は3月中旬まで見頃が続きますが、散るのも早いと見込まれますので、ご注意ください。
しだれ梅と椿まつりの前半から中盤ごろがおすすめです。
桜でもとりわけ枝垂桜が美しいように、梅でも枝垂梅の美しさは別格です。
枝垂梅を主とした城南宮神苑「春の山」の150本の枝垂梅は「これが梅?」という固定観念を打ち破るものです。ここでしか見られない景色を堪能しましょう。
城南宮の枝垂梅は、ピンクや白など複数の品種が植えられています。
何という品種なのかはさだかではありませんが、人気の枝垂梅といえば、ピンクの呉服枝垂(くれはしだれ)や藤牡丹枝垂などが挙げられます。
白梅の枝垂梅だと白滝枝垂や緑萼枝垂(りょくがくしだれ)、月影枝垂、満月枝垂などがあります。
城南宮ではあまり見かけませんが、紅梅としては紅枝垂、緋の司枝垂(ひのつかさしだれ)、千鳥枝垂などがあります。
昭和を代表する作庭家が精魂込めて作った6つの庭
城南宮の神苑は「楽水苑(らくすいえん)」ともいわれ、「昭和の小堀遠州」こと中根金作による作庭です。
中根金作の代表作である島根県の足立美術館の庭園は、米国の日本庭園専門雑誌で毎年トップに選出されていることでも知られます。その中根金作がライフワークとして作り上げた庭園です。
神苑は源氏物語の庭、春の山、平安の庭、室町の庭、桃山の庭、城南離宮の庭の6つの庭園からできています。
一度に作庭されたのではなく、中根金作が何度かにわけて順次作庭したものです。
枝垂梅の咲き乱れる「春の山」は、平安時代後期の鳥羽離宮の築山の遺構を活用したものです。
梅の中でも遅咲きの枝垂梅は、ソメイヨシノがとちょうど入れ替わりに見頃を終えます。
城南宮で梅といえば神苑の枝垂梅ですが、城南宮は枝垂梅ばかりではありません。
神苑南部の室町の庭や桃山の庭にも、紅梅や白梅が咲きます。
特に室町の庭では、お茶席の楽水軒の前に美しい梅が咲きます。
楽水軒では、巫女さん出してくれたお抹茶とお菓子をいただきながら、ゆっくりお庭を眺めることができます(要志納金300円)。
ただし、2021年は新型コロナウイルスの影響により、閉じられています。
神苑内以外でも、境内の唐渡天満宮の周囲では、梅がまとまって植えられています。
祭神の菅原道真公が中国(唐)の宋に渡って禅を学んだという伝説に基づく社名です。
唐渡天満宮付近は拝観料も不要ですので、早朝などでも梅を楽しむことができます。
城南宮について
平安京の南を守る神社として、古くから朝廷に重んじられてきた神社です。
鎌倉時代には、後鳥羽上皇が城南宮の神事である流鏑馬(やぶさめ)にことよせて鎌倉幕府打倒の兵を集めて挙兵したのが承久の乱です。
幕末には、戊辰戦争の天下分け目の決戦である鳥羽・伏見の戦いの戦場にもなりました。
南から京都へ向けて進撃してくる旧幕府軍を、城南宮から小枝橋にかけて展開する新政府軍が迎え撃ったことから、戦端が開かれました。
1876年に正式名称を「真幡寸(まはたき)神社」と改めましたが、1968年に旧称に復しました。
ただし、地図ではその間も「城南宮」と表記されており、一般には一貫して城南宮と呼称されていたことが見て取れます。
現在では方除(ほうよけ)に加えて交通安全の神として信仰を集めています。
京都五社めぐりのひとつでもあります。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:30(受付は16:00まで) |
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拝観料 | 大人 600円 小中学生 400円 |
TEL | 075-623-0846 |
住所 | 京都市伏見区中島鳥羽離宮町7 |
アクセス | 近鉄・地下鉄「竹田」より徒歩15分 |
公式ホームページ:城南宮 | 京都の南、方除け ・厄除けの祈祷、車のお祓いの神社。巫女が神楽を舞い、庭園は花と紅葉の名所です
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③ 随心院〈山科区〉 見頃:3月中旬~下旬
「はねずの梅」で知られる遅咲きの紅梅
京都市内で最も遅咲きの梅園である、随心院(ずいしんいん)の小野梅園。
はねずの梅で知られる、小野小町ゆかりの梅です。
八重の紅梅を中心とした約200本の梅は、例年3月に入ってようやくちらほらと咲き始めます。
はねずの梅とは、唐棣(はねず)色をした梅という意味です。
唐棣色とは聞きなれませんが、鮮やかな朱色に近い、オレンジがかった薄い赤色のことです。
もともとは特定の品種の梅を指しているわけではなく、古くから随心院の八重紅梅全般を称えることばとして使われてきました。
今の小野梅園は、戦後になって今の形に整備されましたあ。
小野梅園のはねずの梅の多くは、品種としては「摩耶紅梅(まやこうばい)」にあたります。
3月最終土曜日には「はねず踊り」が開催
随心院では、毎年3月の最終土曜日に「はねず踊り」が催されます。
かつて近隣の子供たちによる「百夜通いのわらべ歌」にあわせて踊る行事がありましたが、それにちなんで1973年に新たにはじまった行事です。
小野小町と深草少将の百夜通い伝説を題材に、はねず色の衣装を着た少女たちが踊りを披露するおすすめの行事です。
2021年は3月28日(日)に開催予定でしたが、2020年に引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響により、中止となることが発表されました。
しかし、その代わりに2021年は「はねずの梅を愛でることで皆様の心に光明が潅がれんことを願いまして無料公開」となりました。
ありがとうございます。
随心院について
991年創建の真言宗小野流の中心となった寺院です。
五摂家出身者が多く入寺し、「小野門跡」とも称される摂家門跡寺院として高い格式を誇っています。
随心院のある小野は、小野妹子(いもこ)、篁(たかむら)、道風(とうふう/みちかぜ)、小町らで知られる小野氏の根拠地のひとつです。
小野小町ゆかりの化粧井戸や文塚が今も境内に遺されています。
漢字の表記ミスをかなり頻繁に見かけるのでご注意を。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:30 |
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拝観料 | 拝観 500円 梅園 500円※ 共通券800円※ 2021年は梅園無料公開 |
TEL | 075-571-0025 |
住所 | 京都市山科区小野御霊町35 |
アクセス | 地下鉄「小野」より徒歩5分 |
小野梅園公開
公開期間 | 2021年3月8日(月)~31日(水) |
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公開時間 | 9:00~16:00 |
入園料 | 無料 |
公式ホームページ:真言宗 大本山 隨心院
南山城の梅おすすめスポット4選
京都南部の宇治・南山城地域にかけてには、京都市内とは一味ちがった梅スポットがあります。京都一を誇る1万本の青谷梅林など、ここでしか見られない絶景がある梅のおすすめスポットがあちこちにあります。
① 青谷梅林〈城陽市〉見頃:2月下旬~3月中旬
1万本の梅が点在する広大な青谷梅林
京都府下最大の1万本もの広大な梅林が広がるのが、城陽市南部に広がる青谷(あおだに)梅林です。
他の京都の梅スポットのように、信仰や観光を目的としたものではなく、梅の生産を目的とした果樹園としての梅林です。
関西では和歌山県をはじめ、さらに規模の大きな梅林はありますが、古い街並や山の中に梅林が点在し、他とはかなり異なる楽しみ方ができておすすめです。
例年2月に入ると梅がちらほらと咲き始めます。
食べ物にイベントに見どころいっぱいの「梅まつり」
「春は城陽から」をキャッチフレーズに、青谷梅林では毎年2月下旬~3月半ば頃「梅まつり」が開催され、多くの観梅客が訪れます。
やや古いですが、2008年に城陽市が市内で開催された各種イベント・まつり来場者に行ったアンケートでは、「城陽市の観光資源として思いつくものは何か」という設問に対し、29.8%が「梅、梅林」と回答しています*11。
城陽市にとっても重要な観光資源として、力を入れられています。
2018年には、梅まつりに約1.6万人が訪れたそうです。
2020年は2月22日(土)からはじまりましたが、コロナウイルスのため1週間のみの開催で中止となりました。
2021年は新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言により、中止となることが2月5日に発表されました。城陽市民も「城陽市の宝が・・・」と悲しんでいます。
1984年の開始以来、中止となるのははじめてのことです。
何もなければ梅まつりが始まったばかりである2月21日(日)に青谷梅林を訪問しました。
さすがに青谷梅林を訪れる人はまれで、JR奈良線で山城青谷駅を降りたのも一人だけでした。
例年であれば、梅まつりがはじまったばかりの頃は、ようやくちらほら咲きはじめということが多いです。
開花が早かった2021年は、もう三分~五分咲きにまで開花が進んでいます。
当たり前ではありますが、梅まつりがなくても梅林は美しく彩られます。
イベント等こそないものの、梅自体は楽しむことができます。
梅まつり期間と異なり、私有地である梅林内の立ち入りはできません。
とはいえ、もちろん公道上からは見ることができます。
もちろん交通の邪魔になってはいけませんが、ほとんどの道路は通行する自動車もまれです。
青谷の各地に梅林は点在していますが、メイン会場はその北東端にあります。
地元の出店のほか、紙芝居などのイベントが行われます。
家族連れにもおすすめで、週末には大勢で賑わいます。
露店では、梅ねぎ焼きや梅ポテカラといった、梅や梅パウダーを使った他では味わえない品々を楽しむことができます。
金額も100円や200円と格安でおすすめです。
青谷梅林は、大きくわけて北部の中梅林と南部の市辺(いちべ)梅林から構成されます。
梅まつり会場をはじめ、メインの部分は中梅林ですが、訪れる人も少ない市辺梅林も負けず劣らず見ごたえがあっておすすめです。
梅林は果樹園らしく、高さが揃っており背の高さも低めです。
街中を歩いていると、地元の方がお勧めの梅のありかを教えてくれたりするのも魅力です。
中梅林の真ん中にある中天満宮でも、地元の婦人会の方の出店があります。
果肉が甘くておいしい梅大福などをいただくことができ、梅まつり会場だけでなく中天満宮もおすすめです。
京都が誇るおいしい梅の「城州白」
中天満宮から少し上った堂山の山頂付近にも梅林が広がります。
山頂にある展望台は、京都南部に広がる木津川の河谷平野が一望できるおすすめスポットです。
青谷梅林の梅の主たる品種は城州白(じょうしゅうはく)という白梅です。
名前のとおり、京都南部の山城地方特産の白梅です。
直径約4cmという大粒で柔らかい果肉と桃のようなフルーティーな香りが特長で、梅酒にも梅干しにもぴったりの品種です。
名前のとおり、白みの強い色の実をつけます。
城陽以外ではほとんど栽培されていないという、幻の品種です。
品種としては花を楽しむための花梅ではなく、実を採取するために実梅ですが、花も見ごたえ十分です。
城州白のほかは、白加賀、青軸、鶯宿、玉英、オタフクダルマ*12などの品種が栽培されています。
年にもよりますが、梅まつりが終わってからも青谷梅林の見頃はしばらく続きます。
例年3月も下旬に入ると、梅も順次散っていきます。
一部は4月初めまで見られることもあります。
梅の実の収穫は、6月下旬ごろからはじまります。
一般的には5月ごろから収穫がはじまりますが、熟すまでじっくり時間がかかるのが城州白の特徴のひとつです。
収穫の時期には、梅林全体が甘い梅の香りで包まれます。ぜひ収穫の時期にも青谷梅林を一度訪ねてみてください。
収穫したばかりの梅の直売所なんかもあります。
8月ごろに行われる梅干しの天日干しも風物詩です。
城州白を使ったケーキ、ジェラート、ゼリーなど様々なスイーツが開発されており、青谷のみならあず城陽市の各所で楽しむことができます。
梅干しを中心とした京都の梅製品専門店として知られる「おうすの里」さんの本社と工場も青谷梅林の近くにあります。
どれも素敵な商品ばかりですが、MKタクシーのドライバーは、中でも手のひらサイズのかわいいつぼに入った、お土産にぴったりの梅干しである「つぼ入り梅」をおすすめします。
青谷梅林について
鎌倉時代から梅の名所として知られ、城陽市南部の丘陵地に20haに1万本の梅が栽培されています。
京都府下2位である北野天満宮の1,500本をはるかに上回る、府下最大の梅林です。
年間160トンの梅を生産し、梅干しや梅酒などに加工されます。
青谷梅林は、江戸時代に染料の「媒染剤」として烏梅(うばい)を採取するために始まりました。この烏梅とは、梅の実を燻製にしたもので、クエン酸が「紅花染め」に利用されました。梅は食用ではなく、工業用の原料だったのです
明治以降、烏梅は工業的生産に取って代わられ、梅干や梅酒の原料としての利用とともに、観光資源としての利用が始まりました
梅の品種も烏梅生産用の小ぶりな梅から、食用の大きめの梅へと切り替わりました。
観梅地として有名になった青谷梅林には、多くの観梅客が集まり、1925年には梅のシーズンだけ開く青谷梅林仮停車場が国鉄奈良線に開設されました(1933年には常設の山城青谷駅に)。
烏梅としての需要減少によって、1898年に青谷村の村長が中心となって「青谷梅林保勝会」が設立され、観光客の誘致活動が始まりました。
明治後期から戦前にかけて、名勝地としての青谷梅林は全国的にもしられるようになり、多くの歌人や文学者が青谷梅林を訪れるようになりました。
戦後には、梅酒や梅干し用としての梅の需要が高まり、生産梅林としての青谷梅林も復興しました。
1984年から梅の開花シーズンには「梅まつり」をはじめ、梅の振興活動をはじめました。
梅まつり情報(2021年は中止)
開催期間 | 2月下旬~3月中旬 |
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開催時間 | 10:00~15:00 |
入園料 | 無料 |
住所 | 城陽市中中山 |
アクセス | JR「山城青谷」より徒歩20分 |
公式ホームページ:城陽市観光協会公式ホームページ
② 宇治市植物公園〈宇治市〉見頃:2月下旬~3月中旬
春のゾーンを彩る多彩な梅
四季を通じて様々な花々が咲き乱れる宇治市植物園では、例年2月に入ると寒紅梅など早咲きの梅が見頃を迎え始めます。
2021年は早くも1月下旬から咲き始めています。
梅は園内南部の「春のゾーン」のあたりに植えられています。
ただし、まとまってたくさん植えられているわけではなく、あちこちで点々と咲いています。
同じく早春に咲く菜の花と紅白の梅の競演という、案外他では見られない景色も楽しむことができます。
丘陵を切り開いて作った宇治市植物公園は、標高も高い位置にあります。
園内の上の方では梅の向こう側に平地が広がる景色を眺めることができます。
例年2月も下旬になると、寒紅梅に続いていろいろな品種の梅が見頃を迎え始めます。
白加賀や寒紅梅、玉牡丹など一部を除いて品種名の表示がされていないのがちょっと惜しく感じられます。
桜はほとんどの木に品種が書かれているので、梅もそうなるともっとよいのでは、と思います。
宇治市植物公園について
1996年に開園したまだ歴史の浅い植物園です。
20万人に満たない人口の宇治市がこの規模の植物園が維持できているのは驚くべきことです。
10haの園内には1,450種類もの植物が植えられています。
園内は春・夏・秋のゾーンに分かれます。四季を通じて毎年、枝垂桜夜間無料公開、椿の魅力展、サボテン・多肉植物展、八重桜ウィーク、春の山野草展、ハーブ展、さあつき花季展示会、蛍ナイター、巨椋池の蓮展、観蓮会、秋の山野草展、ハロウィンパーティ、菊花展、紅葉フェスタ、ウィンターガーデン、カカオとチョコレートとちょっとコーヒー展、ひょうてん展、など多彩なイベント・展覧会が催されます。
毎年10万人前後の入園者があり、2019年度は100,129人の入園者がありました。
京都府立植物園には及びませんが、立地を考えるとたいしたものです。
これからもすばらしい植物園を維持してください。
入園情報
休園日 | 月曜日(祝日の場合は翌日) |
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入園時間 | 9:00~17:00(受付終了は16:00) |
拝観料 | 大人:600円 小人:300円 幼児:無料 |
TEL | 0774-39-9387 |
住所 | 京都府宇治市広野町八軒屋谷25-1 |
アクセス | JR「宇治」よりバス 近鉄「大久保」よりバス |
公式ホームページ:宇治市植物公園(公式ホームページ)
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③ 松花堂庭園〈八幡市〉見頃:2月下旬~3月上旬
椿だけでなく、梅もみごとな松花堂庭園
いつも見事に手入れが行き届いた庭園が美しい松花堂(しょうかどう)庭園では、例年1月末頃から梅が咲き始めます。
園内は外園と内園に分かれますが、内園は2018年の大阪北部地震の被害によって大きな被害に遭いました。
地震以来、公開中止が今も続いています。2021年になってようやく本格的な修復工事がはじまりました。数年かけて修復工事を行うということなので、公開はまだ先になってしまうようです。
外園には、松隠、竹隠、梅隠の3つのお茶室が点在しています。
そのうち、松隠と梅隠お茶室の周囲を梅が彩る景色はおすすめです。
そのうち、「梅」を冠した梅隠は、千宗旦好みの茶室を再現したものです。
内部には入れませんが、外から茶室を眺めることができます。
松隠は、松花堂松乗の住坊に小堀遠州がつくったとされる「閑雲軒」を再現したものです。
こちらも外から見ることができます。
園内には121品種もの椿が植えられており、その多くが梅の開花期間中にも咲きます。
中には松花堂を冠した「松花堂早咲薮椿」「松花堂白椿」「松花堂五色八重椿」などの珍しい品種もあります。
是非梅とあわせて見に行きましょう。
2021年には、夜間特別一般公開「梅の香かおる 松花堂庭園ライトアップ 1日限定の夜間特別入園」が開催されました。
松花堂庭園初のライトアップイベントでした。
実施はたった1日だけで、事前予約制です。
日時 2021年3月7日(日)17:30~20:00
(最終入場19:30)
定員 30分ごとに70名様
入園料 一般 500円
高校生以下無料
予約受付は2月5日(金)からで、2月中にはすべての予約が満席となりました。
2021年は梅の開花が早かったため、本来主役のはずである梅が散りかけていたのは残念でした。
例年通り梅が見頃であれば、さぞかし美しい光景だったことでしょう。
ただし、その分椿を楽しむことができました。
ライトアップされた椿というのは、初めて見たかもしれません。
闇み浮かび上がる椿は、日中とはまた違った美しさがありますね。
幻想的にライトアップされた三つの茶室や竹林など、松花堂庭園の魅力をじっくりと味わうことができました。
松花堂庭園について
寛永の三筆のひとりであり、茶道、絵画など多方面で才能を発揮したマルチな文化人である松花堂昭乗(しょうじょう)の草庵「松花堂」を中心とした庭園です。
本来は男山の石清水八幡宮内にありましたが、神仏分離により荒廃しつつあったのを、八幡の名望家である井上伊三郎氏が自邸へと移築し、保存しました。
1977年に八幡町が八幡市へと市制施行するにあたり、記念事業として松花堂庭園を公有化し、一般公開をはじめました。
さらに2002年には隣接地に八幡市立松花堂美術館が開設され、文化交流拠点として再整備されました。
400種にも及ぶ竹や、121品種の椿でも知られます。
2021年には、併設の松花堂美術館では
- 「のんびりいこう、丑の年」1月9日(土)~2月14日(日)
- 「春爛漫!松花堂は花盛り」3月13日(土)~5月9日(日)
が開催予定です。
梅は散っていますが、4月2日(金)~4日(日)の「第32回つばき展」も楽しみです。
つばき展は、松花堂庭園に隣接する松花堂美術館の本館ではなく、松花堂庭園内にある松花堂美術館の別館で開催されます。
松花堂庭園
入園時間 | 9:00~17:00(入園は16:30) |
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入園料 | 400円(当面の間は内園立入禁止のため100円) |
TEL | 075-981-0010 |
住所 | 八幡市八幡女郎花43 |
アクセス | 京阪「石清水八幡宮」より徒歩30分 |
松花堂美術館
入園時間 | 9:00~17:00(入園は16:30) |
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入園料 | 一般 400円 大学生 300円 18歳以下 無料 (展覧会によって異なります) |
TEL | 075-981-0010 |
住所 | 八幡市八幡女郎花43 |
アクセス | 京阪「石清水八幡宮」より徒歩30分 |
公式ホームページ:京都の国指定名勝の日本庭園 八幡市立松花堂庭園・美術館
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④ 高尾梅林〈宇治田原町〉見頃:3月中旬~下旬
雄大な景色が広がる高所にある遅咲きの梅林
宇治田原町の標高300m付近の高所にある梅林です。
標高が高いため、例年3月も中旬以降にようやく見頃を迎えます。
満開の頃にはもう桜も咲いているためか、観梅客にはほとんど出会うことはない隠れたおすすめスポットです。
梅林越しに広がる絶景に驚き
高尾梅林のおすすめポイントは、梅林越しに広がる絶景です。
京都市内から生駒方面までが見渡せます。
山腹というロケーションのため、梅林の向こう側には、遠くの山並みが広がります。
京都にたくさんある梅の名所でも、このような景色を楽しめるのは高尾梅林くらいです。
高尾を訪れた江戸時代の俳人・与謝蕪村(よさ ぶそん)が、「宇治行(うじこう)」でその絶景を記しています。
全く観光地化していないがゆえに、鑑賞は道路上からになります。
梅林は全て私有地であり、特に立入禁止とは書かれていなくても、立ち入るべきではないでしょう。
集落の下から集落の上まで梅林が広がっているため、下の方と上の方では結構な標高差があります。ここの住んでいる方は、春には始終梅の香りを楽しむことができてちょっとうらやましいです。
開花時期がずれるため、結構長く楽しむことができます。
上の方は例年4月に入ってもまだまだ見頃が続くほどです。京都でも最も遅咲きの梅林です。
ほとんど人の姿を見かけることもなく、知られざる梅の名所というのにぴったりです。
今回紹介する30選のなかでも、穴場として最もおすすめするのが高尾梅林です。
高尾梅林について
宇治田原町北部にそびえる大峰山(506m)の西側山腹にある高尾(こうの)の集落に広がる梅林です。
宇治田原の郷之口から大峰山系へと伸びる林道を上っていった先にあり、ちょっとしたかくれ里の雰囲気があります。
それもそのはずで、白州正子氏の「かくれ里」にも少し出てきます。
本当にこんな道の先に梅林があるのだろうか、と不安な気持ちになるかもしれませんが、ご心配なく。
林道を抜けると展望と梅林が広がります。
高尾の読みは「こうの」と「こおの」とがあってどちらが正確かよくわかりません。宇治田原町のサイトでも両方の表記が出てきます。いずれにしろ「こうのお/こおのお」の末尾が取れたのが、変わった読み方の理由なのでしょう。
1889年までは宇治田原町が属する綴喜郡ではなく、宇治西部や城陽北部などが属する久世郡の一部でした。
田原よりも宇治川を通じてつながる宇治とつながりが強かったのです。
見学情報
見学時間 | 日中随時 |
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入園料 | 無料 |
住所 | 宇治田原町高尾向ヒ坂他 |
アクセス | JR宇治駅から京阪バス維中前行きで25分、「下町」より徒歩30分 |
⑤ 鴻ノ巣山運動公園〈城陽市〉見頃:2月下旬~3月上旬
家族連れで大賑わいの公園
城陽市で梅といえば青谷梅林ですが、もうひとつの名所として穴場の鴻ノ巣山運動公園があるのをご存じでしょうか。
鴻ノ巣山運動公園は、観光スポットではありませんが、地元の家族連れには知らない人がいないであろう公園です。
ローラースライダーなど充実した遊具があり、週末にはいつも家族連れで大賑わいをしています。
鴻ノ巣山の東側に広がる斜面には、紅梅や白梅が多数植えられており、園内は美しく彩られます。
子供たちは梅よりも遊ぶことに夢中ですが、大人は子供たちを見守りながら梅を楽しんでいます。
五里五里の里・城陽
城陽市といえば、「五里五里の里」といわれています。
日本の二大古都である京都まで五里(20km)、奈良まで五里(20km)のという、ちょうど中間点に位置します。
京都と奈良を結ぶ奈良街道の宿場町(長池宿)として栄えた町です。
城陽市の「市の木」といえば、梅です。
京都府一の青谷梅林があるだけに、さすがです。
鴻ノ巣山運動公園内には、プラムイン城陽という宿泊施設があります。
市の木である梅(プラム)にちなんでいます。
そのプラムインが、近年アウトドアをテーマとしてテーマパーク「LOGOS LAND」としてリニューアルしました。
バーベキューや全天候型キャンプができる施設として、人気急上昇中です。
鴻ノ巣山運動公園について
城陽市の中心部にある標高118mの鴻ノ巣山の中腹にある公園です。
鴻ノ巣の山頂からは、南山城を一望できます。
コウノトリがこの山に巣をつくると豊作になるという伝承が名前の由来です
公園内には、宿泊施設のプラムイン城陽、アイリスイン城陽や城陽市市民体育館など様々な施設が整備されています。
入園情報
入園時間 | 9:00~21:00 |
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入園料 | 園内自由 |
TEL | 0774-55-6222 |
住所 | 城陽市寺田奥山1 |
アクセス | JR「城陽」より20分 |
洛西の梅おすすめスポット9選
京都の西部である洛西には、梅宮大社や長岡天満宮などそれほど混雑しない穴場な梅のおすすめスポットが点在しています。
① 車折神社〈右京区〉見頃:3月上旬~中旬
メジロが群れる美しい枝垂梅
桜で有名な車折(くるまざき)神社ですが、中門の奥には見ごたえのある枝垂梅があります。
境内では、例年2月半ばにまず枝垂梅が開花し、続いて河津桜、寒緋桜、渓仙桜(枝垂桜)と次々に開花し、境内を彩っていきます。
例年3月に入ると、おすすめの枝垂梅が見頃を迎えます。
他に白梅もありますが、この枝垂梅1本がよく目立ちます。
同じころ、早咲きの桜として知られる河津桜(カワヅザクラ)が咲き始めます。
この中門前の枝垂梅は、鳥が蜜を吸いに来ているのを見かける確率が高いです。
特にここの蜜はおいしいのでしょうか。
メジロやヒヨドリなどが一生懸命に蜜を吸っている姿はかわいらしいものです。
河津桜もたくさん咲いており、晴天の開花期に訪れると、どこかでメジロが蜜をすいにあつまっていることでしょう。
災害を乗り越えて咲き誇る枝垂梅
有名な渓仙桜(けいせんざくら)が咲き始めると、枝垂梅は入れ替わるように散りはじめます。
この枝垂梅は、2018年に京都に大きな被害を与えた台風21号により、塀ごと半ば横倒しになってしまったことがあります。
おそらく根の多くも切れてしまい、復活は難しそうな状況でしたが、翌2019年には見事に花を咲かせて復活しました。2020年もいつもどおりに見頃を迎えました。凄いです!
車折神社について
平安時代後期の学者である清原頼業(きよはらのよりなり)を祭神とします。
社名は、後嵯峨天皇が神社の前を通ったときに牛車が一部折れてしまったことに由来します。
本社よりも有名なのが、末社である「芸能神社」です。
近隣にある太秦界隈の映画関係者から信仰を集めるようになり、今でも有名な芸能人の名前が記された赤い玉垣が奉納されています。
京都を訪れた修学旅行生が、ファンの芸能人の名前を探しているのをよく見かけます。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-861-0039 |
住所 | 京都市右京区嵯峨朝日町23 |
アクセス | 嵐電「車折神社前」よりすぐ |
公式ホームページ:金運・良縁・厄除け・学芸の京都【車折神社】 初詣/パワースポット
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② 天龍寺〈右京区〉見頃:3月上旬~中旬
参道脇を彩る美しい白梅
天龍寺の駐車場付近に広がる前庭では、参道脇に植えられた白梅が2月半ばから咲き始めます。
白梅は、塔頭の弘源寺前から慈済院(じさいいん)前付近に数本植えられています。見た目は似たような白梅ですが、開花期は少しずつ異なります。
前庭は境内自由部分なので、拝観料は必要ありません。
例年3月に入ると白梅が見頃を迎えます。
春の特別公開が始まる前の弘源寺をはじめ、慈済院や松厳寺(しょうげんじ)などはいずれも非公開ですが、美しく手入れされた土塀や塔頭の門をバックに白梅が咲く姿がおすすめです。
有料部分の曹源池(そうげんち)庭園でも、枝垂梅などの梅が見られます。
百花苑や多宝殿前なので、美しい梅が咲いています。特に多宝殿前の右近の梅・左近の梅として植えられている呉服枝垂(くれはしだれ)はおすすめです。
同時にツバキやアセビなどいろんな早春の花々を楽めておすすめです。
例年3月中旬に入ると、前庭の白梅は次第に散りはじめます。
天龍寺の顔ともいうべき大きな庫裏(くり)の屋根をバックに咲く白梅も絵になります。
塔頭群に咲く梅
天龍寺には、現在11の塔頭寺院があります。
そのうち参道の両側には、北東から反時計まわりに南芳院(なんほういん)、三秀院(さんしゅういん)、弘源寺(こうげんじ)、慈済院(じさいいん)、松厳寺(しょうごんじ)、永明院(えいめいいん)、等観院、寿寧院、妙智院9ヶ寺が並びます。
春に特別公開される弘源寺以外は非公開寺院ですが、庫裏前までは入れる塔頭寺院もあります。
中でも妙智院と三秀院では、美しい白梅が咲いています。
境内に西山艸堂がある妙智院は、庫裏前に立派な白梅があります。
2月には美しく咲き誇る白梅を楽しむことができます。
三秀院では、十三重塔の前に梅が咲きます。
典雅な枝ぶりをした美しい梅が、3月に見頃を迎えます。
有名な天龍寺ではありますが、塔頭寺院をひとつひとつ訪れる人はまれです。
せっかく天龍寺まで来たのですから、入れる塔頭はちょっとのぞいてみることをお勧めします。
天龍寺について
南北朝時代、南朝・北朝として対立していた足利尊氏と後醍醐天皇。
吉野で失意の死を迎えた後醍醐天皇の霊をなぐさめるために、尊氏が建立したのが天龍寺です。
いろんな事情から袂をわかった二人ですが、尊氏の後醍醐天皇への尊敬の念は、終生変わらなかったと言われています。
のちに禅寺の寺格を定めた京都五山の第一位とされました。
庭園である曹源池庭園は、日本の庭園史上でも重要な名庭です。
天龍寺の開山である夢窓疎石による作庭で、特別史跡と特別名勝に指定されています。
曹源池に設けられた滝石組の龍門瀑(りゅうもんばく)は、特別な知識はなくても圧倒されます。
池の周りを巡りながら楽しむ池泉回遊式庭園であり、同時に大方丈や小方丈から額縁庭園として楽しむ池泉座観式庭園でもあります。
背後の亀山や嵐山を借景として取り入れた、典型的な借景庭園としても知られます。
曹源池に設けられた滝石組の龍門瀑(りゅうもんばく)は、特別な知識はなくても圧倒されます。
池の周りを巡りながら楽しむ池泉回遊式庭園であり、同時に大方丈や小方丈から額縁庭園として楽しむ池泉座観式庭園でもあります。
背後の亀山や嵐山を借景として取り入れた、典型的な借景庭園としても知られます。
参拝情報
参拝時間 | 8:30~17:00(3/21~10/20は17:30) 前庭は日中随時 |
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参拝料 | 高校生以上 500円 小・中学生 300円 未就学児 無料 前庭は境内自由 |
TEL | 075-881-1235 |
住所 | 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 |
アクセス | 嵐電「嵐山」よりすぐ JR「嵯峨嵐山」より徒歩で13分 阪急「嵐山」より徒歩で15分 |
前庭は境内自由エリア
公式ホームページ:世界遺産|京都 嵯峨嵐山 臨済宗大本山 天龍寺 公式ホームページ
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③ 梅宮大社〈右京区〉見頃:2月下旬~3月中旬
450本の梅が咲き乱れる神苑・境内
創建の由緒書きを見ても梅は出てこないため、花としての梅との関係は不詳ですが、梅宮(うめのみや)大社というだけあって神花は梅です。
神苑や楼門前など境内一円に梅が植えられており、京都の寺社でも北野天満宮に次ぐ計450本もの梅を楽しむことができておすすめです。
例年1月中旬ごろから、神苑や南参道脇で早咲きの梅が咲き始めます。
2月中旬には、早咲きの梅は見頃を迎え、境内各所で梅が咲き始めます。
特に西神苑にはまとまって梅が植えられています。
南参道では、サザンカも同時期に見頃を迎えています。
たくさんのメジロが群れ集う
梅宮大社の梅では、メジロを見られる確率が高いのが特徴です。
晴天時は、だいたいどこかでメジロが蜜を吸いに来ています。
ときには1本の梅に10羽以上のメジロが群がっていることもあり、おすすめです。
例年2月下旬には境内は概ね見頃を迎え、3月中旬まで紅梅や白梅が咲き乱れます。
3月中旬からは遅咲きの枝垂梅が咲きはじめ、紅梅や白梅が散ったあとも3月下旬まで見頃が続きます。
境内には約50種の椿もあり、梅と同時期に楽しむことができます。
梅が見頃を迎える3月第1日曜には「梅・産祭(うめうめまつり)」が行われます。
安産・子授けの祈願や、神苑の梅で作った梅ジュースの無料接待が行われます。
2020年はコロナウイルスのため神事を除き、中止となりました。
2021年は3月7日(日)に開催されます。
緊急事態宣言が前倒しで解除されたこともあり、午前9:30から梅ジュースの無料接待などが行われる予定です。
毎年梅が見頃を迎えようとする2月11日に開催される「甘酒祭」では、無料での甘酒の振る舞いは中止されました。
梅宮大社といえば、知る人ぞ知る猫スポットでもあります。
春のうららにうとうとするかわいらしい猫達も必見です。
梅宮大社について
源平藤橘の四姓の一つである橘氏の氏神として創建され、平安時代に現在地に遷座したといわれます。
橘嘉智子(檀林皇后)が梅宮神に祈願してのちの仁明天皇を授かったことから、子授けの神として篤い信仰を集めています。
皇室の外戚神として、朝廷からも篤く信仰されました。
神苑は東、北、西の3つのエリアにわかれ、梅やカキツバタ、ツツジ、アジサイ、ツバキなど季節の花が咲き乱れます。
神苑の水は桂川より取り入れられています。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~17:00 |
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拝観料 | 大人 600円 小人 400円 |
TEL | 075-861-2730 |
住所 | 京都市右京区梅津フケノ川町30 |
アクセス | 阪急「松尾大社」より徒歩15分 |
公式ホームページ:梅宮大社
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④ 大覚寺・大沢の池〈右京区〉見頃:3月中旬~下旬
ほとんど知られていない170本もの梅林
あまり知られていませんが、大覚寺の大沢池の北側には、170本の梅林があります。
大沢池といえば、春の桜は有名ですが、その前の梅を見に来る人は稀です。
梅の穴場スポットである大覚寺を紹介します。
大沢池の北側に広がる梅林は遅咲きで、例年2月からちらほら咲き始めますが、見頃を迎えるのは3月中旬以降です。
おそらくは観賞用の花梅ではなく、実を採取する用の実梅と思われる白梅がずらりと約170本並びます。
大覚寺の公式HPでもほとんど言及されていないことからも、観賞用の梅林ではなく果樹園としての梅林なのだろうと推察されます。
例年、梅林は3月中旬ごろから見頃を迎えます。
多宝塔をバックにした絵になる景色も見ることができます。
京都市内でも170本もの梅が一ヶ所にまとまって咲くところはあまりありませんが、梅を見に来ている人はあまり見かけないおすすめの穴場スポットです。
すぐ奥には竹林も広がっており、竹と梅の光景を見ることができます。
案外竹と梅を同時に見られるところは少ないです。
宸殿前の「左近の梅・右近の橘」
梅林だけではなく、大覚寺の境内にも梅が点々と植えられています。
中でも有名なのは、左近の梅です。
東福門院の女御御所を移築した重要文化財の宸殿(しんでん)の前には、「左近の梅・右近の橘」が植えられています。
京都御所の紫宸殿(ししんでん)前をはじめ、「左近の桜・右近の橘」という組み合わせが一般的ですが、実は平安京造営時の紫宸殿前の左近に植えられていたのは、梅でした。
桜の人気の高まりとともに、9世紀半ばに梅から桜へと植え替えられたとされます。
大覚寺は今でも古式ゆかしく「左近の梅」なのです。
大覚寺・大沢池について
大覚寺は、嵯峨天皇の離宮跡地を寺院としたお寺です。
代々皇族が住職を務める門跡寺院で、嵯峨御所と称されました。
鎌倉時代には、後嵯峨上皇、亀山法皇、後宇多上皇が相次いで入山し、大覚寺統(南朝)を形成しました。
大覚寺の東隣にある大沢池は、日本最古の人工的な庭池です。
百人一首「滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ(藤原公任)」の名古曾(なこそ)の滝跡があります。
春の桜、夏の蓮、秋の紅葉で知られます。
大沢池エリアは、これまで桜と紅葉シーズン以外は無料で公開されていましたが、2020年春から通年有料化されました。
2018年の台風21号などでたびたび被災し、災害復旧に加えて今後も健全に維持していくための財源を確保するためのやむをえない判断です。
通年有料化に伴い、五大堂と大沢池エリアを結ぶ拝観ルートが新設されました。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~17:00(受付は16:30) |
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拝観料 (諸堂エリア) |
大人 500円 小中高 300円 |
拝観料 (大沢池エリア) |
大人 300円 小中高 100円 |
TEL | 075-871-0071 |
住所 | 京都市右京区嵯峨大沢町4 |
アクセス | JR「嵯峨嵐山」より徒歩20分 |
公式ホームページ:旧嵯峨御所 大本山 大覚寺
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⑤ 嵐山羅漢〈右京区〉見頃:3月上旬~中旬
知る人ぞ知る嵐山の珍スポットを彩る紅梅
天龍寺と嵯峨嵐山文華館(旧時雨殿)の中間あたり、宝厳院(ほうごんいん)と湯豆腐嵯峨野さんの間にあるちょっとした珍スポットである「嵐山羅漢」をご存知でしょうか?
約70体のいろんな表情をした羅漢像が並んでいる、新しい京都の名所です。
実は、早春には紅梅が美しいおすすめスポットになります。
紅梅がたった1本あるだけなのですが、ちょうど羅漢像が並ぶ真ん中にあるため、羅漢像と紅梅のちょっと面白い景色を楽しむことができておすすめです。
羅漢像は、奉納者によって顔立ちも姿勢も様々です。
愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)の千二百羅漢ほどのバリエーションではありませんが、修行僧風のよくある羅漢さんだけではなく、いろんな羅漢さんがいらっしゃいます。
嵐山羅漢について
宝厳院と湯豆腐嵯峨野さんの間のスペースに、約70体の羅漢像が並ぶ嵐山羅漢。
「羅漢」とは、阿羅漢(あらかん)の略で、お釈迦様の高弟をはじめ悟りを開いた高僧のことです。
天龍寺の塔頭のひとつである宝厳院の呼びかけにより、嵐山関係者をはじめ全国の法人個人から奉納された羅漢像が約70体並びます。
「人類の安心立命と嵐山の守護・景観保全を祈念するとともに、有縁無縁の菩提を弔う」ために奉納されたものです。
今も1体100万円での奉納を募っており、年々数が増えています。
いろんな表情や仕草の羅漢像が並び、ちょっとした珍スポットとして知る人ぞ知る名所になっています。
さらに東側には、湯豆腐嵯峨野さんが建てた約10体の文官石(朝鮮半島の墓に置かれる守り神の石像)も並びます。
見学情報
見学時間 | 日中随時 |
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見学料 | 無料 |
アクセス | 嵐電「嵐山」より徒歩8分 |
⑥ 亀山公園〈右京区〉見頃:2月下旬~3月上旬
中国人観光客にも人気の梅
亀山の中腹から大堰川(おおいがわ)沿いにまで広がる亀山公園では、例年1月半ばになると園内の各地で紅白の梅が咲き始めます。
園内に点々と植えられていますが、角倉了以像付近には10本以上まとまって植えられています。角倉了以(すみのくら りょうい)は、江戸時代はじめに保津川を開削して丹波と京都を結ぶ水運を切り開いた人物です。高瀬川の開削でも知られます。
梅といえば、中国でも牡丹と並んで人気の高い花で、台湾では国花に選ばれています。
訪日観光客にもお馴染みの花なので、新型コロナウイルスの感染拡大までは、梅の前で記念撮影をしている中国人・台湾人観光客の姿をよく見かけました。
亀山公園で忘れてはならないのが「周恩来総理記念詩碑」です。
京都大学に留学に来ていた若き日の周恩来が、帰国を前に作った「雨中嵐山」という詩が刻まれています。
1978年の日中平和友好条約締結を機に、日中友好に尽力した故周恩来を記念して建てられた碑です。
今も京都に来た多くの中国人観光客が訪れます。
亀山公園で梅と同時に見頃を向かるのが馬酔木(アセビ)です。
真紅の紅梅と白いアセビが競演する姿を園内各所で見ることができます。
梅の見頃は木によってかなり差がありますが、概ね例年3月中旬になると散りはじめます。
亀山公園について
天龍寺曹源池庭園の西側に広がる亀山の中腹に作られた公園です。
亀山公園のあたりは、天龍寺の境内でしたが、明治維新後に政府によって取り上げられました。
地元住民らの尽力により、葛野郡によって1910年に公園として整備され、のちに京都府へと移管されました。
正式には嵐山公園亀山地区といいますが、一般に亀山公園という場合が多いです。
もとは今の小倉山を亀山といい、その亀のしっぽの位置にあるため亀尾山と言われていました。
やがて亀山が小倉山といわれるようになったため、その支峰の亀尾山が亀山といわれるようになりました。
大堰川沿いに2ヶ所、大河内山荘前に1ヶ所、小倉山へと続く登山道に1ヶ所の計4ヶ所の出入り口があります。
入園情報
入園時間 | 日中随時 |
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入園料 | 境内自由 |
アクセス | 嵐電「嵐山」より徒歩で15分 JR「嵯峨嵐山」より徒歩で20分 阪急「嵐山」より徒歩で20分 |
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⑦ 清凉寺〈右京区〉見頃:2月下旬~3月中旬
境内を長期間彩る紅梅と白梅
清凉寺境内で、まず最初に開花するのは「京料理ゆどうふ竹仙(ちくせん)」さんの前の白梅です。
年によっては、年末から咲き始めることもあるくらいの京都でも有数の早咲きの梅です。
例年2月に入ると、境内各所で梅が咲き始めます。
多宝塔前、阿弥陀堂前にそれぞれ並ぶ紅白の梅が見ごたえ十分でおすすめです。
かつてその名を轟かせた「軒端の梅」
そして、清凉寺の梅といえば「軒端(のきば)の梅」でした。
誠心院、東北院と並んで京都に3つある和泉式部ゆかりの「軒端の梅」の中でも、清凉寺は代表格として知らました。
しかし、樹齢350年を経て近年はもうほとんど花を付けることもなくなっていました。
花は咲かせずともしばらくは生きながらえていましたが、ついに2019年には枯死してしまいました。今は跡形もなく、その姿をしのぶよしもありません。
人も木も寿命はあるものです。じゅうぶんに天寿をまっとうしており、やむをえないことですが、悲しいことです。
境内の最後を飾るのは、例年3月中旬に見頃を迎える多宝塔前の白梅です。
ちょうど同じ時期に多宝塔の横にある河津桜(カワヅザクラ)も見頃を迎え、境内は華やかに彩られます。
3月15日に行われる炎の祭りである「お松明式(おたいまつしき)」もおすすめです。
2020年は準備がほぼ整っていたにも関わらず、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。2021年も既に準備がはじまっていましたが、2年連続で中止となることが2月14日に発表されました。
清凉寺について
嵯峨釈迦堂として親しまれる清凉寺。
インド、中国、日本を経て伝わった「三国伝来」という本尊の釈迦如来像(国宝)は香木で彫られた少しエキゾチックな顔立ちの仏様です。
非常に人気が高く、清凉寺式釈迦如来像として京都に限らず全国各地に模刻像が遺されています。
1953年の調査により絹製の五臓六腑(ごぞうろっぷ。いわゆる内臓)が発見され、大きな話題になりました。普段は複製を見ることができます。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:00 開門は早朝より |
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拝観料 | 境内自由 本堂と庭園は 一般 400円 中高生 300円 小学生 200円 |
TEL | 075-861-0343 |
住所 | 京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46 |
アクセス | 嵐電「嵐山」より12分 JR「嵯峨嵐山」より12分 阪急「嵐山」より22分 |
公式ホームページ:HOME | 清凉寺(嵯峨釈迦堂)
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⑧ 正法寺〈西京区〉見頃:3月上旬~中旬
京都盆地を見下ろす位置に広がる梅林
西京区・大原野の山麓にひっそりとたたずむ梅林があるのをご存知でしょうか?
正法寺(しょうぼうじ)には、広大な京都盆地を背後に見下ろす、100本の梅林があります。
京都盆地より標高が高い位置にある正法寺からは、遠くに京都盆地と東山の山並みを眺めることができておすすめです。
手前には洛西ニュータウンの町並み、はるかかなたには、伏見桃山城や京都タワーなど、京都市内の南部を一望できます。
早い木は例年1月から咲き始めますが、全体が見頃を迎えるのは例年3月に入ってからです。
紅白の梅が見事に咲き誇ります。
梅林以外にも、遍照塔の前には枝垂梅も咲きます。
正法寺について
最澄が建立したと伝わる寺院で、善峯寺と同じく江戸時代に桂昌院の帰依を得て復興しました。
石を動物の形に見立てた「鳥獣の石庭」で知られ、境内全体では200トンもの巨石が集められ「石の寺」ともいわれます。
石庭の向こう側には、京都盆地や東山が借景として取り入れられています。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~17:00 |
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拝観料 | 300円 |
TEL | 075-331-0105 |
住所 | 京都市西京区大原野南春日町1102 |
アクセス | 阪急バス「南春日町」より徒歩10分 |
梅林は境内自由エリア。
公式ホームページ:京都・洛西 真言宗 東寺派 別格本山 法寿山 正法寺 のホームページ
⑨ 長岡天満宮〈長岡京市〉見頃:3月上旬~中旬
20品種140本の長岡公園の梅園
京都で北野天満宮に次ぐネームバリューを誇る天満宮といえば、長岡天満宮でしょう。
北野天満宮には及びませんが、長岡天満宮も京都を代表する梅スポットのひとつです。
長岡天満宮では、隣接する長岡公園に20品種140本の梅園が広がります。
長岡公園の梅園は、長岡天満宮本殿の南側の2ヶ所に広がります。
早咲きの八重寒紅や白加賀は例年1月から咲きはじめて2月に見頃を迎えますが、全体が見頃を迎えるのは例年3月に入ってからです。
遅咲きの枝垂梅の見頃は例年3月中旬以降になります。
品種名は「シロカガバイ」のようにカタカナ書きでやや特殊な表記がされています。
「ヒトエカンコウバイ」とカタカナで書かれても、意味はとりにくいですが、「一重寒紅梅」と漢字で表記されると、寒い時期から咲く早咲きで一重の紅梅という意味がひとめでわかります。漢字とはすごいですね。
ただし、「ユウコウバイ」という品種については、該当する梅の品種がなく、よくわかりません。友好?有香?有効?
なお、一部の梅は表記されている品種名にやや疑問があります。
長岡公園の梅園だけでなく、長岡天満宮の境内にも各所に梅が植えられています。
特に本殿前の梅は、「左近の紅梅・右近の白梅」と呼ばれています。
梅の見頃にあわせて「梅花祭」が催さます。
神事だけでなく、社務所の中ではお茶席(2,100円)が催されます。
コロナウイルスのため2020年は中止となり、2021年も開催の方向で準備はすすめられていましたが、中止となることが発表されました。
長岡天満宮について
菅原道真が大宰府に左遷されるおり、この地で名残を惜しんだのが神社のはじまりと伝えられています。
実際に長岡天満宮を訪れたかは不明ですが、ここから大阪まで淀川左岸を中心に各地に菅原道真が大宰府へと向かう途中に訪れたという伝承地が点在しています。
4月下旬には、樹齢100年を超える霧島躑躅(キリシマツツジ)が鮮やかに咲き誇ります。
1638年には境内の西側に桂離宮を造営したことで知られる八条宮智仁親王により、新たに八条ヶ池が築造されました。
霧島躑躅のほか、八条ヶ池の花菖蒲(ハナショウブ)や蓮(ハス)、錦景苑の紅葉など、春から秋にかけて様々な花で彩られます。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-951-1025 |
住所 | 長岡京市天神2丁目15-13 |
アクセス | 阪急「長岡天神」より徒歩10分 |
公式ホームページ:長岡天満宮 | 学問の神様
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洛北の梅おすすめスポット2選
京都の北部である洛北には、なぜか梅のおすすめスポットはあまりありません。
そんな中、京都府立植物園は京都随一の品種数を誇ります。
① 京都府立植物園〈左京区〉見頃:2月中旬~3月中旬
60品種150本の梅林
日本でも最大級の植物園である京都府立植物園は、本数は150本ながら北野天満宮をしのぐ60品種以上もの梅が植えられています。
中心となる梅林は、半木の森の東側に広がります。
1月のうちから、八重寒紅(やえかんこう)や大盃(おおさかずき)、道知辺(みちしるべ)、冬至、玉牡丹などの早咲きの梅が次々と咲き始めます。
植物園らしく、全ての木に品種名を書いてくれているのがありがたいところです。
品種名だけではなく、特徴などの説明も記載しているものもあり、花の色や付き方、枝振りなどに注目して比べてみるのも楽しいです。
例年2月も半ばになると、梅林では早咲きの梅は見頃を迎え、鹿児島紅、甲州小梅、未開梅(みかいこう)、藤牡丹、楊貴妃なども次々と開花します。
2月半ばに行われる京都マラソンでは、京都府立植物園内もコースになります。
ちょうど梅林の横がコースになるため、ほんのり広がる梅の香りを楽しみつつランナーたちが駆け抜けて行きます。
京都府立植物園内では、梅林だけではなく北山門前のワイルドガーデン付近にも梅がまとまって植えられています。こちらも梅林に負けず劣らずおすすめです。
地下鉄北山駅と直結している北山門から園内へ入ると、梅の甘い香りが漂っています。
京都府立植物園の梅林内では、おおむね南東側に早咲きの品種、北西側に遅咲きの品種が集まっています。
例年3月に入ると、南東側に続いて北西側も続々と見頃を迎えます。
早咲きの梅もまだ残っており、遅咲きの内裏や月宮殿(げっきゅうでん)なども次々と咲きはじめ、3月上旬が最も華やかになります。
例年3月中旬には、南高梅や見驚(けんきょう)などの良く見かける品種が見頃を迎えます。
遅咲きの内裏や月宮殿は3月下旬にようやく見頃を迎えます。
京都府立植物園について
2024年には開園100周年を迎える京都府立植物園は、年間入園者数が80万人を超える日本を代表する植物園です。
12,000種もの植物が広大な敷地に植えられており、桜や梅、つばき、花しょうぶ、あじさいなど四季折々の花々を楽しめます。
熱帯の植物が見られる温室もあります(別途入館料が必要です)。
2013年には賀茂川門、2017年には北泉門が完成し、出入り口が倍増しました。
園内の半木の森(なからぎのもり)は、開園前からあった半木神社の社叢林をそのまま生かしたものです。京都盆地の古くからの植生を今も残す貴重な森です。
梅の開花期間に京都府立植物園で行われるイベントは、
- 「洋ラン展」 1月29日(金)~2月11日(木/祝)
- 「早春の草花展~春を感じる風の中で~」 2月13日(土)~3月14日(日)
- 「春蘭展」 3月12日(金)~14日(日)
- 「早春の山野草展」 3月19日(金)~22日(月)
などがあります。
梅の展示はありませんが、早春の草花展は特におすすめです。
大芝生広場に特設された温室内には、早春の草花100種が10,000株展示され、甘~い香りが漂います。
かなりの芳香なので、先に梅林で梅の香りを楽しんでから行った方が良いでしょう。
入園情報
休園日 | 12月28日~1月4日 |
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入園時間 | 9:00~17:00(受付終了は16:00) |
拝観料 | 一般 :200円 高校生 :150円 中学生以下:無料 |
TEL | 075-701-0141 |
住所 | 京都市左京区下鴨半木町 |
アクセス | 地下鉄「北山」よりすぐ |
公式ホームページ:京都府立植物園
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② 宝ヶ池公園〈左京区〉見頃:2月下旬~3月中旬
ため池の宝ヶ池公園を中心とした広大な公園
五山の送り火のひとつとして知られる「妙」「法」の裏側に広がる宝ヶ池公園には、200本の梅林が広がります。
宝ヶ池を中心として広大な公園のうち、梅林は南西部に広がります。
京都市内からは、狐坂をのぼって宝ヶ池トンネルの手前右側の駐車場付近になります。
宝ヶ池のほとりからは奥まった位置にあるため、少し場所はわかりにくいかもしれません。
梅林の位置を示す看板等もないので、すぐ近くを気づかずに通り過ぎてしまっている人も多いのではないかと思います。
駐車場から右の方に入っていったあたりに広がります。
松ヶ崎東山への斜面に段々に整地されたところに、紅梅や白梅など約200本が植えられ、2月下旬から3月中旬頃に見頃を迎えます。
宝ヶ池公園について
一周1.8kmの宝ヶ池を中心とした7.6ヘクタールの広大な宝ヶ池公園。
宝ヶ池は、江戸時代に水田に水を引くためのため池として築造されました。
宝ヶ池へと流れ込む川はわずかですが、湧水を主たる水源としてしています。
宝ヶ池が今の規模に拡大されたのは1855年のことです。
比叡山を望む景勝地にあり、戦後になって大規模な公園として整備され、1964年に宝ヶ池公園として開かれました。
ため池である宝ヶ池や里山である東山などの地形や自然を利用しながら、園内には多くの散策路が整備されています。
梅林園、桜の森、菖蒲園などが整備され、コバノミツバツツジや新緑、紅葉などをあわせて四季折々の景色を楽しむことができます。
宝ヶ池には多くの野鳥が集い、京都を代表するバードウォッチングスポットとしても人気です。
公園内には、1966年には日本で初めての国立の大規模な会議施設である国立京都国際会館が、1986年には、プリンスホテルグループにより、京都宝ヶ池プリンスホテル(現:ザ・プリンス 京都宝ヶ池)が開設されました。
1949年から1958年には、宝ヶ池競輪場がありましたが、跡地は「こどもの楽園」として整備されています。
入園情報
入園時間 | 日中随時 |
---|---|
入園料 | 無料 |
アクセス | 地下鉄「国際会館前」よりすぐ |
公式ホームページ:宝ヶ池公園
- 洛中の梅おすすめスポット7選
- 洛東の梅おすすめスポット6選
- 洛南の梅おすすめスポット3選
- 南山城の梅おすすめスポット4選
- 洛西の梅おすすめスポット9選
- 洛北の梅おすすめスポット2選
- おわりに
おわりに
一年を通じて、桜と紅葉に次いで人気なのが梅ですが、桜や紅葉と比べると梅に関する情報はあまりありません。
京都の梅の名所といっても、せいぜい10ヶ所程度紹介されるだけです。
しかし、MKタクシーの観光ドライバーであれば、梅についてもいろんな情報が引き出しに入っています。
今回紹介したのは30ヶ所ですが、これ以外にもドライバーごとに自分だけのおすすめ情報を持っています。
京都のみならず、関西一円をご案内することもできます。
MKの観光貸切タクシーなら、京都の梅を心行くまで楽しむことができます。
観光・おもてなしのプロといっしょに一味ちがう京都旅行を体験してみませんか?
MKタクシーが提供する花と紅葉情報
リアルタイムな開花・見頃情報が知りたい方
観光ドライバーを中心に年間約5,000件のリアルタイムな情報を提供中。
春夏秋冬を通じて全ての花に対応しています。
花・紅葉やスポットの情報が知りたい方
花・観光に関する情報をスポット・エリア別に提供中。
春夏秋冬を通じて50種以上の花に対応しています。
*1:「大宰府」と「太宰府」という表記があるが、菅原道真の時代の役所としては「大宰府」、概ね鎌倉時代以降の地名や天満宮を表記する場合は「太宰府」と表記するのが通例
*2:当時使われていたユリウス暦では903年3月26日
*3:991年の時点では、十九社。二十二社は伊勢神宮、石清水八幡宮、賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)、松尾大社、平野神社、伏見稲荷大社、春日大社、大原野神社、大神神社、石上神宮、大和神社、廣瀬大社、龍田大社、住吉大社、日吉大社、梅宮大社、吉田神社、廣田神社、八坂神社、北野天満宮、丹生川上神社、貴船神社。
*4:桜に植え替えられたのは承和年間(834年~848年)であり、960年の焼亡以前から桜が植えられていたという説もあり
*5:2017年に選定された「続日本100名城」では福知山城が選出。
*6:山陰本線のうち京都駅~園部駅間の愛称。1988年にJR西日本のアーバンネットワークの一部として命名された。社内アナウンスでは「嵯峨野山陰線」と呼称される。京都市民は山陰線、嵯峨野線のどちらも使う。
*7:「ホテル」ではなく「ポテル」。「ポート」と「ホテル」をあわせた造語。
*8:近年では後白河ではなく、側近の高階泰経を指したという説も有力。
*9:七不思議の残りは「虎の図の石灯籠」「轟門と轟橋」「馬駐の逆環」「龍の鬼瓦」「六本足の鐘楼」「梟の手水鉢」「弁慶の指跡」「仁王門のカンカン貫き」・・・などなどたくさんあって、実は「七不思議どころではありません。
*10:時代によって変動はあるが、菅大臣天満宮、北菅大臣天満宮、筑紫天満宮、一夜天満宮(壬生寺)、神泉苑天満宮、火除天満宮、菅原院天満宮、安楽寺天満宮、北野天満宮、水火天満宮、上御霊天満宮、梶井天満宮(現存せず)、菅家天満宮、雪天満宮、梅宿菴天満宮、天拝天満宮、梅丸天満宮、綱敷天満宮、若宮天満宮、紅梅天満宮、文子天満宮、西念寺天満宮、法然寺天満宮、大雲院天満宮、錦天満宮をいう。
*11:出典:城陽市観光振興計画。その他の回答には「花しょうぶ(15.4%)」「寺田いも(14.4%)」「いちじく(9.6%)」など
*12:小梅の品種のようです。オタフクとダルマは別品種のような記載もありますが、詳細はよくわかりません。