日本一!春の京都府立植物園で170品種の美しい桜をじっくり楽しもう
京都府立植物園は、植物保有数が日本一*1、公立の植物園としては入園者数が日本一です。
桜も日本でも有数の品種数を誇り、年々増えています。
早咲きから遅咲きまで様々な桜が咲き誇り、桜について学ぶには最適です。
そんな難しいことを考えず、ただぶらぶらと桜を眺めながら歩くだけでも十分です。
京都府立植物園の多彩な桜
見頃は3月中旬~4月下旬
- 3月中旬~下旬が見頃の河津桜など
- 3月下旬~4月上旬が見頃の大枝垂桜と
- 4月上旬が見頃のソメイヨシノ
- 4月上旬~下旬が見頃のサトザクラ
秋咲きや早咲きの品種が続々開花
130品種もの桜が順次開花する京都府立植物園では、秋から十月桜(ジュウガツザクラ)、冬桜(フユザクラ)、四季桜(シキザクラ)、アーコレード、子福桜(コブクザクラ)、不断桜(フダンザクラ)、エレガンスみゆき、ヒマラヤ桜などの秋冬咲きの桜が咲いています。
これらは、桜林の中にる秋咲きの桜コーナーにまとまって植えられています。
春になると、3月上旬ごろから早咲きの寒桜(カンザクラ)、椿寒桜(ツバキカンザクラ)、寒緋桜(カンヒザクラ)、河津桜(カワヅザクラ)、唐実桜(カラミザクラ)、啓翁桜(ケイオウザクラ)などが開花します。
3月中旬ごろには続いてオカメ桜、大寒桜(オオカンザクラ)、修善寺寒桜(シュゼンジカンザクラ)、細井桜(ホソイザクラ)が開花します。
これらは、主に園内北西部の桜林付近で見られます。
植物園の春の顔は「大枝垂桜」
続いて、3月末頃から見頃を迎えるのが、春の京都府立植物園の主役「大枝垂桜」です。
高さ14m、幅20mにも及ぶ大きな枝垂桜です。
有名な祇園枝垂桜の姪っ子にあたる樹齢約50年の桜です。
つまり、初代の祇園枝垂桜の孫にあたるということです。
咲いているのは、園内中央の花菖蒲園です。
4月上旬にはお花見客で大賑わい
4月上旬になると、京都府立植物園でも最も本数の多いソメイヨシノが見頃を迎えます。
植物園内は、たくさんのお花見客が訪れ、各所でゴザやビニールシートを敷いてお花見が行われています。
京都市民にとって定番お花見スポットのひとつです。
アルコールは禁止されていますのでご注意を。
南側にある正門から入ると、真っ正面に見えるチューリップと桜が定番の景色です。
ソメイヨシノは、温室前から桜林にかけてまとまって植えられています。
桜シーズンのピーク時には1日2万人を超える入園者数があります。
そして、ソメイヨシノの見頃にあわせて夜間ライトアップが行われます。
夜空に桜が美しく照らし出されます。
2020年は新型コロナウイルスの影響でライトアップは中止となり、2021年も中止と発表されました。
桜好きなら必見の「サトザクラ展」
4月中旬になると、ソメイヨシノや枝垂桜は散りはじめますが、かわってサトザクラや八重紅枝垂桜が見頃を迎えます。
八重紅枝垂桜は、桜林の東部で咲き乱れます。
そして、この時期に行われる京都府立植物園のおすすめイベントが「サトザクラ展」です。
正門付近にある植物園会館内で、園内にあるサトザクラを中心とした桜の切り枝が展示されます。
130種あるという桜の多くが展示されます。
これだけの桜が一同に会するというのは、全国でもここだけではないでしょうか。
サトザクラ展にあわせて行われる「桜散歩」もおすすめです。
京都府立植物園の職員が、1時間にわたって園内を回りながら、桜についていろんなお話しをしてくれます。
参加費はもちろん無料です。
桜に関するいろんな楽しい話しや、植物園ならではの裏話まで、実物の桜を見ながら説明してくれます。
言葉の端々に、京都府立植物園の矜持を感じとれます。
桜についての素人から、それなりに詳しい方まで、みんな楽しめます。
桜について学ぶには、最適の機会です。
毎年京都府立植物園のサトザクラ展の開催を、楽しみにしています。
謎の桜の正体が判明
京都府立植物園では、様々な品種を未来に伝えていくために、様々な研究活動も行われています。
京都府立植物園に古くから伝わる「大原渚桜」という品種があります。
どこから来たのか、名前の由来は何なのかなど、謎につつまれていました。
それが最新の遺伝子調査により、大原の寂光院(じゃっこういん)に伝わる桜と同じものであることが判明しました。
いち早く珍しい新品種を導入
北山門付近には、桜品種見本園があり、その名のとおり多くの品種が植えられています。
品種の数も年々増えており、2019年には新たに「園里黄桜(ソノサトキザクラ)」が植えられました。
桜好きなら、緑や黄色の桜として、御衣黄(ギョイコウ)や鬱金(ウコン)は知っているでしょう。
最近は須磨浦普賢象(スマウラフゲンゾウ)も増えてきました。
この園里黄桜は、第4の緑の桜として、2006年に品種登録されたばかりという新しい品種です。
京都でも京都府立植物園でしか見られないはずの珍種です。
5月はじめで長かった桜シーズンが終了
4月も下旬になると、世間ではもう桜の季節はすっかり終わった扱いになります。
しかし、京都府立植物園ではまだ桜が咲いています。
最後を飾るのは、梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ)や六高菊桜(ロッコウキクザクラ)といった花弁が数百枚ある菊咲きの桜と、カスミザクラ(霞桜)系のサトザクラである奈良の八重桜(ナラノヤエザクラ)です。
桜品種見本園では、5月に入ってもまだまだ咲いている姿を楽しむことができます。
ゴールデンウィークが終わるころには、京都府立植物園の桜シーズンもいよいよ終わりを迎えます。
10月に秋咲きの桜が開花するまではしばらくお休みです。
京都府立植物園について
2024年には開園100周年を迎える京都府立植物園は、年間入園者数が80万人を超える日本を代表する植物園です。
12,000種もの植物が広大な敷地に植えられており、桜や梅、つばき、花しょうぶ、あじさいなど四季折々の花々を楽しめます。
熱帯の植物が見られる温室もあります(別途入館料が必要です)。
戦前から全国の桜の品種が収集され、1939年には56種・品種の桜があったことが記録に残されています。
しかし、戦後に進駐軍が接収中に次々と伐採され、1957年に返還されたときには、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、枝垂桜のほか、サトザクラ10本しか残されていませんでした。
入園情報
休園日 | 12月28日~1月4日 |
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入園時間 | 9:00~17:00(受付終了は16:00) |
入園料 | 一般 :200円 高校生 :150円 中学生以下:無料 |
TEL | 075-701-0141 |
住所 | 京都市左京区下鴨半木町 |
アクセス | 地下鉄「北山」よりすぐ |
公式ホームページ:京都府立植物園
おわりに
桜について詳しく知りたいのであれば、京都府立植物園が最適です。
植物園らしく、ほとんどの桜に品種名や説明文が付けられています。
ここまで丁寧に書いてくれている桜スポットは京都でも他にはありません。
京都府立植物園以外の桜スポットでも、MKタクシーの観光ドライバーであれば、代表的な桜の品種であれば、おおむね把握しています。
MKの観光貸切タクシーなら、京都の春を心行くまで楽しむことができます。
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*1:京都府立植物園の桜守である中井貞氏の「京都府立植物園におけるサクラのエアースコップを用いた土壌改良作業」に、「植物保有数日本一」との記載あり